ブラックロック

 

ブラックロック:金利・インフレの上昇は脅威とはならない

資産運用の世界最大手BlackRockのIsabelle Mateos y Lago氏が米経済・市場について強気の見方を示した。
一方、日欧についてはインフレ上昇の予想が先行し、市場では過度な織り込みが見られると言う。

「極めて強い経済成長、世界経済だけでなく企業収益も良好と特徴づけられる環境にあるとの見方が確認された。
・・・リスク資産、特に株式にとってとても好ましい環境だ。」


Mateos y Lago氏はBloombergで、資産市場、とりわけ米国株市場に強気の見方を強調した。
月初の急落はテクニカル要因による調整にすぎないとし、すでに元の軌道に戻りつつあるとした。
今後も株式にとって好ましい環境が続くだろうと言う。

市場では米インフレの加速が金利上昇を誘い、市場・経済をオーバーキルするのではとの思惑が強まっている。
14日に米労働省が発表した1月の消費者物価指数(季節調整済み)は前月比0.5%上昇(市場予想0.3%上昇)、食品・エネルギーを除くコアCPIは前月比0.3%上昇(同0.2%上昇)といずれも市場予想を上回った。
コアCPIの伸びは2017年1月以来の大きな上昇だ。

米CPI総合(青)とコアCPI(赤)
米CPI総合(青)とコアCPI(赤)

Mateos y Lago氏はインフレ期待の高まりも脅威ではないという。
同統計が経済成長とインフレの加速を示唆する点は認めるものの、この加速は健全な形で進むと予想する。

「フル供給をもたらすものであり、オーバーシュートしてFRBがブレーキを踏むようなものではない。
昨年ほどではないかもしれないが、依然として好ましい環境だ。」


同氏はあくまで強気であり、市場の不安を払拭するようなコメントを繰り返している。
また、最近のドル安についても、長いサイクルで見ればむしろ当然起こるべきリバランスの結果だと言う。

米ドルの実効為替レート
米ドルの実効為替レート

「米経済は過去数年、他の経済よりはるかに良好で、ドルはかなり強い状態だった。
他の経済が回復し、日欧・新興国から過去数年よりいいニュースが出てくると、そうした経済への資産の再配分が起こり、それら通貨が上がりドルが下がる。」

Mateos y Lago氏は、為替と密接な関係にある債券市場について、期待インフレの織り込みという観点からコメントしている。
市場は日欧でのインフレ上昇のスピードを高く織り込み過ぎていると言う。

「市場は日欧が米国と同ペースのインフレ上昇を迎えると織り込んでいる。
これは適切ではない。」

米国では2%物価目標の達成が近くまで来ており、市場もいったん行き過ぎたものの、今では正しく織り込みつつあると言う。
織り込みの「行き過ぎ」が月初のリスク資産の急落と言いたいのであろう。
一方、日欧の状況はまったく異なると言う。

「日欧ではインフレの動向はまだ鈍いと見ており、物価目標はまだ遠い。
金利市場はやや先を行き過ぎている。」

Mateos y Lago氏は明言していないが

  • 円高・ユーロ高がややオーバーシュートしている
  • 日欧の資産市場は過度に売られすぎている

との連想を誘う相場感だ。


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