バリー・アイケングリーン:1987年に似ている

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IMFのシニア政策アドバイザーなどを務めたUC BercleyのBarry Eichengreen教授が、最近の株価急落についてコメントしている。
今回の急落は2008年のリーマン危機より1987年10月19日のブラック・マンデーの方に類似しているという。


アイケングリーン教授は3点、1987年との類似点を挙げた:

  • 金融政策: 1987年も金融引き締め期だったが、2008年はすでに景気が悪化し金利は低下局面にあった。
  • ドル相場: 1987年もベイカー財務長官がドル高を是正していた。
  • アルゴリズム売買: 1987年も「ポートフォリオ・インシュランス」犯人説がささやかれた。

実効FF金利(赤)と米ドルの実効為替レート(青)
実効FF金利(赤)と米ドルの実効為替レート(青)

1987年のブラック・マンデーの後、市場と経済には何が起こったか。
いずれもすぐに立ち直り、日本が長期停滞に陥るのを尻目に力強く回復していったのである。


米株価(Russell 3000指数、自然対数)
米株価(Russell 3000指数、自然対数)

ブラック・マンデーは対数目盛にしてようやく見えるだけの一時的な小さな下げだった。
ドットコム・バブルやリーマン危機とはその点で大きく異なる。
なぜ、一時的な下げで収まったのか:

  • 金融システム: システムにとって重要な金融機関に危機が及ばなかった。
  • 金融政策: アラン・グリーンスパンFRB議長(当時)が金融緩和で対応した。

では、現在はどうだろう。

  • 金融システム: 米金融システムは頑強になっている。
    しかし、金融規制緩和が行われるなら、これがあてにならなくなるかもしれない。
  • 金融政策: いまだ低金利で、金融緩和の余地は小さい。
    また、ジェローム・パウエル新議長がパウエル・プットを発動するかどうかはわからない。

アイケングリーン教授は、先行きは結局のところトランプ大統領次第だという。

  • フランクリン・ルーズベルト大統領のように対処し、国民の不安を払拭するか。
  • 株価下落を他人(民主党、外国、FRB)のせいにするか。

もしも大統領が責任転嫁を選ぶなら、問題はさらに悪化するだろうと教授は予想している。


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