ゴールドマン・サックス

 

ブランクファイン:あまりにもいいことがありすぎる

ゴールドマン・サックスのLloyd Blankfein CEOが、米経済・市場のリスクが高まったと話している。
似た状況として1994年を挙げ、金利が予想以上に上昇する可能性を看過してはいけないと語った。


2006年以来これほどいい状態を感じたことがない。

経営者としてリスク管理を重視するブランクファイン氏がCNNで、順風満帆すぎる米市場・経済に警戒感を示している。
すでに経済が順調だったところにトランプ政権と共和党は減税・歳出増を決めた。
今後はインフラ支出も議論の対象になる。

「市場心理は極めてポジティブで(景気)サイクルの(最終)局面から金利は比較的低い。
決してベース・ケースではないが、私はリスクに対処するのが仕事なので言うなら、あまりにもいいことがありすぎる。」

米経済はある意味かつてジャネット・イエレン前FRB議長や民主党寄りの学者が主張したような高圧経済に似た状況にあるのかもしれない。
もしも高圧経済が実現してしまったとすれば、FRB議長が交代しなくても、FRBは金融政策正常化を進めざるをえなくなる。

1994年との類似

ブランクファイン氏は似た環境として1994年を挙げている。


「もしも経済が過熱すれば、FRBが後手に回っていると考えるかもしれない。
市場は今年のFRB利上げが2回、3回、もしかしたら4回かもしれないと考えている。
1994年を思い出すといい。
FRBはFOMCとFOMCの間に利上げをした。
それも1度に75(-100)ベーシスもだ。」

1994年のFRB金融引き締め期のFF金利
1994年のFRB金融引き締め期のFF金利

1994年とはどんな年だったろう。
1990年代初め、米金融セクターは「3L」(Land, Latin America, LBO)に代表される、バランスシートの問題を抱えていた。
これに対応するため1993年までFRBは実質金利をマイナスに維持する金融緩和を行った。
ところが1994年アラン・グリーンスパンFRB議長(当時)は、インフレを望ましい水準に維持することを理由に利上げに転じる。
1つには、ドル安進行への懸念が背景にあったとの見方もある。
FRBの急激な引き締めは長期金利を急騰させ、これが3Lを直撃した。
国内の住宅ローン金利・債券利回りが急騰してMBS・債券が大きく下げ、デリバティブ市場の混乱からオレンジ・カウンティが破綻し、メキシコでは通貨危機が発生した。

こうした時代を経験したブランクファイン氏は、1994年が再現する可能性を否定しない。
もしも再現すれば、経済に大きなインパクトを与えると話す。

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