ジム・チャノス:中国住宅市場の危うさ

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息の長い空売りで有名なKynikos AssociatesのJim Chanos氏が、中国の住宅市場についてコメントしている。
市場自体の重要性、その世界への波及について数字を用いて解説している。


「おおまかに言えば、住宅用不動産は中国の投資の約半分を占め、投資はGDPの約半分を占める。
したがって、中国の住宅用不動産市場はざっくり言って中国経済の1/4ほどを締め、約3兆ドルになる。
3兆ドルとは世界のGDPの4%にあたり、これを1つの資産クラスで占めている。」

長らく中国売りのポジションを取り続けているチャノス氏がBusiness Insiderに話した。
チャノス氏は、世界の資産クラスの中で最も重要な2つを挙げている: 米国債と中国の住宅用不動産だ。
中国の住宅用不動産が重要というのには規模だけではない理由がある。
多くが明らかに投機目的で買われているという点だ。
チャノス氏は淡々と根拠を語る。

「年20百万ものアパートを建てる必要がないのに建てている。
しかも、都市部でだ。
減価償却費の金額や都市部への人口流入を見れば、20百万ではなく6、8、9百万も建てれば十分だったのがわかる。」


中国の住宅には実需によらないストックが莫大に存在し、不安定なバランスの上に成り立っている。
実需と供給が見合い安定的なバランスに遷移するには、ストックの価格下落だけでなく供給力の調整が必要となる。
これは、中国経済だけで済む話ではない。

「(住宅建設は)コモディティ市場を押し上げ、中国のGDPを押し上げる。
クレジットの観点から言えば、間違いなく銀行システムの屋台骨だ。」

また、チャノス氏は株式市場の「不快な」愚かさについても語っている。
市場があまりにも楽観側のバイアスを持っていることだ。
市場には同じ好材料を「何度も何度も何度も何度も材料にできるという考え」が蔓延している。

「それが税制改正であれ、市場は2017年終わりにそれで上がっている。
みんな単純に朝が来るとこう言う:
『税制改正はすごい、税制改正はすごい』
しかし、昨夏、税制改正案が通る見通しが明らかになった時からS&P 500の2018年利益見通しは上がっていない。」

同じ減税、しかも基本的に短期的な効果しかない話を何度も材料にして市場は上げる。
いや、市場は上がらないかもしれないが、主にセルサイド関係者は上がると言い続ける。
これに辟易している人は少なくなかろう。
情報に強いバイアスが加わると、本来情報が持っていた価値は失われていってしまう。

「強気相場では、市場参加者はあらゆる(強気の)ニュースを何度も何度も織り込む理屈をひねり出そうとする。
弱気相場では逆のことをやる。」


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