底辺への競争の懸念強まる

IMFのラガルド専務理事が米減税に苦言を呈した。
BloombergはIMFとその最大の出資国 米国の間の齟齬が目立ってきたと示唆している。


すでに目につくようになった心配事は底辺への競争の始まりだ。
世界中の政府が言っている:
『減税をして企業と仲良くなれるなら、同じことをやろう。』

ラガルド氏があるコンファレンスで語った。
多くの先進国が財政問題を抱えているにもかかわらず、産業振興策と称して法人減税を行い、国内産業の引き留め・海外企業の誘致につなげようとしている。
これが途上国ならわからなくもないが、先進国どうしがこうした潰し合いに明け暮れている。
結果、全体として税収が減り、各国の財政問題は悪化する。
まさに「底辺」である。


「みんな公的なお金が必要だ。
底辺への競争は明日の新たな経済のための投資を喚起せず、労働力・社会を調整もしない。」

もちろん、税金は大切に効率的に使ってもらわなければ困る。
しかし、そうした努力を尽くしたとしても、お金の足りない国が多すぎる。
それなのに、そうした国まで減税や税制優遇に走る。
やらなければやられるだけだからだ。

本来ならばWTOのような国際的枠組みで公正を保つべきなのだ。
不当に低い税金で産業誘致を行う先進国を罰する。
途上国も成長を遂げてくれば、相応の税率を課すか、税率の高い国に財・サービスが入る段階で税を課すかだ。
税制は国内問題であると同時に非関税障壁の性格もあるのだから。
ローレンス・サマーズ元財務長官は「正しいことは、ルールを変えることだ」と指摘している。


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