ブラックロック

 

ブラックロック:再び金利差が主役になる条件

資産運用の世界最大手BlackRockのRichard Turnill氏が、米ドル高予想が外れたことについて原因を分析している。
市場は内外金融政策の予想を見誤っているとし、それが修正された時ドル高に反転するという。


それでもドルは落ち続け、さらに下落すると予想するポジションが積み上がっている。
我々は、世界的なリスク選好が一役買っているとみている。

ターニル氏は週次コメンタリーで継続的なドル安傾向について原因を語っている。
米国の資産価格が上昇を続け、期待リターンが低減するにつれ、投資家は米国以外にリターンの源泉を求めるようになった。
イールド・ハンティングは新興国ほかの外国市場に向かい、投資家のリスク選好の高まりから大量のドルが売られ外国通貨が分かれることとなった。
「リスク・オンのリバランスはついに金利差を追いやり、為替を決めるようになった」とターニル氏は書いている。

「世界同時の景気拡大が今、米財政刺激策の助けを得て継続すると広く信じられ、世界的にリスク資産の取得に拍車がかかっている。」

こうした環境の中で、金利差拡大によるドル高予想が外れたと自己分析している。
この分析が間違っているとは言わないが、これだけとすればそれは誤りだろう。
やはり、今回のドル安には短期の資本取引だけでは説明できない中期の経常収支の問題もあるはずだ。


為替の決定要因は
・長期: 物価の差
・中期: 経常収支
・短期: 金利差
金融経済が実体経済を凌駕するほど大きくなっているから、資本取引に関係する金利差が効きやすくなっているのは事実だ。
しかも、このマネーは素早い。
結果、多くの期間で、金利差が決定要因になっているように感じられる。

しかし、その背景には中期・長期の要因が常に存在する。
そこに無理なテンションが加わると、忘れたことに表面化することになる。
それが、クリントン政権やトランプ政権による通貨政策だ。
双子の赤字を膨らませる米国が強いドルを求めること自体に矛盾が存在し、その矛盾を埋めようとするマグマが貯まっていく。
今回、トランプ大統領が選挙戦中から通貨問題に言及していたことを考えれば、その後のドル高予想派には大きな見落としがあったことになる。

ターニル氏はドル安トレンドの反転のきっかけとなりうるものを自問している。

「ポートフォリオ・リバランスは最後には止まる。
金融政策に対する期待を市場が織り込み直した時、金利差が再び決定要因になるのかもしれない。
金融政策に対する現状の期待は、FRBに対してハト派すぎ、他の中央銀行に対してタカ派過ぎると私たちは考えている。」

ターニル氏は、ドル安が反転した場合でもドル高が長く継続するとは考えていないという。
外国の金利が米金利にキャッチ・アップしてくるからだ。
ただし、反転の瞬間、事はスムーズに進まないかもしれないという。
米ドル・ショートのポジションがあまりにも高く積み上がっているためである。


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