カシュカリ:賃金上昇は国民にはいいことだが・・・

ミネアポリス連銀Neel Kashkari総裁が、1月の雇用統計についてコメントした。
いまだ慎重ながらもインフレ・金利が上昇する可能性に触れ、CNBCは株価に黄色信号と伝えている。


国民全体にとってはいいことだ。
経済全体にとってもいいことだろう。
しかし、賃金上昇が継続するなら、金利の先行きに影響を与える。

昨日発表の米雇用統計の結果を受け、カシュカリ総裁がCNBCで、強い賃金上昇について語った。
総裁は1月の雇用統計の中で特に平均時給の伸びに注目している。

  • 非農業部門就業者数: 前月比200千人増(市場予想の180千人増)
  • 失業率: 4.1%(前月比横ばい)
  • 平均時給: 前年比2.9%増(2009年以来高水準)

カシュカリ総裁は、ついにFRBはじめみんなが待ち望んできた賃金上昇が始まりつつあると話す。
今回の強い雇用統計は、その兆しの1つだという。
米経済は完全雇用に近いというのがコンセンサスであり、多くの人が職を得たのは喜ばしいことだと言う。


この10年、FRBの物価目標は、他の先進国の中央銀行と同様、未達に終わってきた。
長く労働市場がいい状況にあったにもかかわらず、最近まで強い賃金上昇は起こらなかった。
一見よく見える労働市場だが、まだたるみが残っている可能性もあった。
そのため、ハト派の代表格、カシュカリ総裁は昨年も利上げに反対票を投じてきた。
しかし、賃金上昇、物価上昇となれば、総裁のスタンスも変化するだろう。
(ただし、カシュカリ総裁は今年は投票権がない。)

それでも、カシュカリ総裁はまだ慎重だ。
賃金上昇に一役買ったとされる減税についても、それがもたらした楽観の大きさに驚きながら、慎重に見守っている。

「減税は短期的な刺激策だと考えるべきだ。
今年のGDPを押し上げるだろう。
長期的なGDP成長率をシフトさせるかどうかは、判断に時間が必要だ。」

減税にともない特別ボーナスを支給する企業があることについては、政治的なポーズと斬って捨てた。

「私たちは私たちの役割を果たして特別ボーナスを上げている、といったポーズだ。
もっと説得力があるのは、賃金が自然に上昇することだ。」

小売大手ウォルマートが法人減税による負担軽減分を最低賃金引き上げ・特別ボーナスに回すと発表したのは記憶に新しい。
しかし、その直後約1,500人の従業員を解雇したと報道された。
企業経営からすればありうる話なのだろうが、これでは米社会にとっては手放しでは喜べない。


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