ピーター・シフ

 

ピーター・シフ:減税しても国民負担は減らない

Euro Pacific CapitalのPeter Schiff氏が、お家芸の終末論を語っている。
市場の混乱にともない金はじきに抵抗線を抜け、大きく上昇するだろうという。


現在の市場は恩恵以上のものを織り込み済みだ。
なにしろ、恩恵なんてネットでは存在しないんだ。

シフ氏はKitco Newsに対して、共和党タカ派、あるいはリバタリアン的な見方を語った。
かつて共和党からの上院議員選にチャレンジしたこともあるシフ氏だが、トランプ政権・共和党の決めた減税をまったく評価していない。
ブッシュ(Jr)の行った減税の二の舞になると話す。

「減税をやって財政を悪化させた。
その末に、金融危機を迎えてしまった。
減税は皆が思い込んでいたような経済加速を生まなかった。」

シフ氏に言わせれば、財源のともなわない減税はまやかしにすぎないのだ。
納税の金額は減っても、国民は別の形で負担を負うためだ。

政府のコスト削減は手つかずで、むしろ政府は大きくなっている。
税収の形で大きな政府のコストを支払う代わりに、政府債務とインフレという形で政府への支払いを増やさなければいけない。
このインパクトは金利上昇、消費者物価の上昇であり、これが減税の恩恵を打ち消して余りあるんだ。

個々人が払う税金が減っても、それは政府の債務となって積み上がっていく。
米社会がリカーディアンなら、いつか増税によってつけを払う、あるいはそういう期待を抱くことになる。
非リカーディアンなら、財政悪化が財政破綻を招くとまではいわなくても、財政インフレによって国民と米資産保有者の負担になる。

シフ氏は、リーマン危機から米経済が回復を遂げる間一貫して不況がやってくると言い続けてきた。
トランプ政権の1年目に減税が決まったことは、政治的不安定を増す要因になるだろうという。


「ヒラリー・クリントンが大統領になっていたとすれば、米国はすでに不況入りしていただろう。
しかし、現在の誤った楽観や公共支出を掲げる政策によって不況が2-3年先延ばしされた。」

政権の1年目で不況になっていれば、その責任をオバマ政権に転嫁できたはずとシフ氏は言う。
しかし、減税等々への期待感で不況が後倒しされたことで、今後の不況を前政権の責任にするのが難しくなったと言う。
あと数年で景気が収縮期に向かえば、トランプ政権と共和党は失策をごまかしきれなくなる。
政治の不安定が、不況をさらに深刻なものにする。

「(リーマン危機の原因となった)住宅ローン・バブルが弾けた後、FRBは量的緩和でバブルをもう一度膨らまそうとしたんだ。
そうしてドルを大幅安にしようとした。
・・・
彼らはそれに成功し、前のバブルより大きなバブルを作った。
そして、ドルがもっと大きく壊れてしまった。」

シフ氏は、もはや量的緩和も効かないと話す。
同氏のリバタリアン的な視点が存分に生かされたコメントである。
経済政策の失策が原因で、米資産・通貨の価値が毀損しつつあるという主張だ。

ここまでは、同氏のイデオロギー的な信念を楽しむ部分だ。
これからは、同氏の金販売業者としての発言になる。

金価格
金価格

「(金は)1,350ドルあたりに多くの抵抗線がある。
ひとたび抵抗線を抜ければ、一方的に1,400ドルまで上がり、タガが外れるだろう。
・・・
価格はうなぎのぼりになる。」
1日に50-100ドルも上げるだろう。」


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