アラン・ブラインダー:バブルかも、でも対応不要

アラン・ブラインダー元FRB副議長が、上昇を続ける米株式市場について心配している。
ただし、現在の価格上昇はレバレッジ拡大をともなっておらず、中央銀行が対応を急ぐべきものではないという。


「私が現時点で最も心配することの1つは、誰にも予想がつかない株式市場の崩壊だ。
市場はひたすら上昇を続けてきた。」

ブラインダー氏はテレビ東京番組で、上昇を続ける米市場をリスク要因と話した。
資産価格高騰は常にFRBに試練をもたらすとして心配している。
その高騰をもたらす一因は市場参加者の楽観だ。
ブラインダー氏は今、長年株式市場の上げ要因となってきた金利環境に変化が訪れている点を重視する。

「株式市場は環境悪化のようなものには無頓着で、企業収益ばかりを気にする。
少なくとも心配すべきバブルの危険が存在する。」

純粋な株式バブルは脅威ではない

上昇する株式市場をリスクと認識しながらも、ブラインダー氏はそれにすぐさま対処すべきとは考えていないという。
その理由を3つ挙げている:


  • 株式市場が本当にバブルなのかはわからない。
  • FRBは問題を起こさずにバブルを萎ませる手段を持っていない。
  • 純粋なバブルの崩壊が経済に及ぼす損害は限定的だ。

特に3点目については人によって意見が分かれるところだろう。
ブラインダー氏は信念をこう語る。

歴史が示唆するところでは、少なくとも最近の米国では(私は他でもそうと思うが)純粋なバブルが弾けた場合の損害は限定的だ。
2000年の米株式市場クラッシュ(ドットコム・バブル崩壊)後に米経済に起こったことは極めて小さな不況だった。
1987年(ブラック・マンデー前)はレバレッジ・バブルだった。
現在が株式市場のバブルだったとしても、レバレッジによるものではなく、株式(のバブル)だ。

ブラインダー氏は、特定の商品がバブルになり暴落してもその波及効果は大きくないと考えている。
1次的損害は、それに投資をしていた投資家に及ぶだけだ。
しかし、そこにレバレッジの要素が入ってくると話は違ってくる。
サブプライム危機のように、何重もの証券化によって金融システムのレバレッジが上昇してしまうと途端に影響は甚大になる。
金融システムに直接損害が及びかねないからだ。

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