レイ・ダリオ:基軸通貨の地位は盤石ではない

Bridgewater AssociatesのRay Dalio氏が、ドル安を誘ったムニューチン米財務長官の発言についてコメントしている。
基軸通貨としての米ドルの地位に胡坐をかくのは時代錯誤と、厳しく警告している。


ムニューチン米財務長官は24日、米ドル安が米国にとって貿易面などでよいことなどと発言し、市場は素直にドル安で反応した。
同時に、長期的には強いドルが強い米経済を反映するとし、ドルが世界の準備通貨であり続けるだろうと自信を示している。
この文脈を読む限り、短期限定でドル安を容認したというのが実際だろうが、それでも市場は単純にドル安と解釈した。
追って、ホワイトハウスや大統領が火消しに回っており、財務長官の脇の甘さが感じられた出来事だった。

この顛末について、レイ・ダリオ氏が自身のSNSでコメントした。
米国が(短期の話であれ)ドル安を容認することの意味を解説している。


最も重要なのは(米ドル安は)ドル建て資産の保有者にとっての隠れた税金であり、ドル建て債務を負っている人にとっては恩恵であるということだ。

米ドル安の5つの効果

ダリオ氏は、この命題をもう少し噛み砕いで説明している。

  1. ドル保有者の国外での購買力平価を減じる。
    ドル安はアメリカ人の購買力を外国人の購買力との比較において減じる。
  2. ドルが安くなる中ではドル建て債務の実質的価値が減る。
    ドル建て債権を保有する外国人が損をする。
  3. ドルが安くなるためドル建て資産のドル建て価格の下支えになる。
    実質的価値が不変ならドル安の分ドル建て価格が上がるため、資産が増えたかのような錯覚を与える。
  4. 米国のインフレを押し上げる。
  5. 国内の経済活動を刺激する。

1は米国にとってのマイナス要因、3-5はリフレ政策の意図であろう。
2は米国の債権者に損をさせる話であり、一時的には米国にとってメリットであろうが、長い目で見ればマイナスだろう。
ダリオ氏の評価は厳しい。

「このどれも米国が現在必要とするものではない。」

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