Appaloosa ManagementのDavid Tepper氏が、自身の名のついたカーネギー・メロン大学Tepper School of Businessで講演した。
学生からの質疑で、足元の経済・市場環境について話している。
「今は厳しい時だ。
過去、債券利回りはかなり低かったからだ。」
金利上昇とともに米国株市場に厳しい環境が訪れたとテッパー氏が語っている。
長く続いた低金利環境が失われつつあり、これが資産価格が履いていた下駄を奪うと予想されるからだ。
テッパー氏は、1つの不確実要因が日銀の金融政策だという。
「今夜は、日銀が何をやっているのかを理解してみたい。
次の政策決定会合か、その次か、日銀は政策を変更する可能性があり、それが米国債に影響し、株式市場に影響するからだ。」
金融緩和を継続する日銀やECBが本国だけでなく米金融市場まで緩和させているというコンセンサスが米投資家の間に広がっている。
しかし、ECBは金融政策を正常化したくてしかたがない状況だ。
だから、日銀が最後の砦となってしまっている。
いつか日銀が金融政策を正常化する時が来るなら、それは日本市場だけでなく世界の金融市場を引き締めることになりかねない。
テッパー氏は、今年の米国株市場について多くを望むべきでないと示唆している。
「株式市場に関する限り大丈夫だと思うが、すばらしくもない。
米市場はすでに年内の高値を済ませていると思う。」
金利上昇はまだ終わったわけではない。
テッパー氏は、現状3%の米長期金利が上げ足を速めると予想し、この点についての市場参加者の楽観論を危ぶんでいる。
「多くの人は金利がさらに上昇するとは考えていない。
ほとんどの人が3.25%までしか上昇しないと言っている。」
仮に長期金利が年内3.25%までしか上がらないなら、株式は上昇するかもしれないとテッパー氏はいう。
しかし、強すぎるコンセンサスは将来のリスクも強くすると警戒している。
あまりにも多くの人がそう言っている。
あまりにも多くの人が同じことを言う時、私は心配を始めるんだ。
もしもそれを上抜けたら、株式に困難が訪れる。