PIMCO:フィリップス曲線が立ち上がる

債券ファンド世界大手PIMCOのJoachim Fels氏が、今年予想外のインフレが進むリスクを指摘している。
債券投資家の見方はやや慎重すぎる時もあるが、その分現実的かつ理論的であり、耳を傾けておこう。


大きな株価上昇があり、市場はさらに上げているが、今こそ警戒心と分別を持つべき時だ。

フェルス氏がBloombergで、投資家の浮かれすぎをいさめた。
米市場から恐怖心が薄れつつある今こそ、心配すべき時だと言う。
恐怖を忘れた投資家はパンパンにポジションをとっている可能性があり、市場の調整や下落に対して脆弱になっているという。

インフレ時代の投資推奨

米国株が危ういなら何がいいのか、フェルス氏は説明する。

  • インフレへの備え: インフレ連動債など債券をオーバーウェイト
  • 社債、特にハイ・イールド: アンダーウェイト
    「ハイ・イールドは株式市場に対するベータが高く、いつか来る調整の時に心配だ。」
  • MBS等住宅関連資産: オーバーウェイト
    「まだ魅力的で比較的ディフェンシブに見える。」
  • リスクを取りたい場合: 新興国の高金利通貨のバスケット
  • 金利上昇リスクへの備え: デュレーションを短期化

減税が経済を過熱させる

フェルス氏が目下危惧するのはインフレが市場予想以上に上昇することのようだ。
先月、トランプ大統領と共和党は念願の減税をついに実現させた。
フェルス氏は、通常なら減税(法人税・所得税)はいいことと認めながら、タイミングが重要だと釘をさす。


「今起こっているのは、9年間にわたる景気拡大であり、そのかなり終盤にある。
そこで財政刺激策が採られたため、オーバー・ヒートのリスクが上がってしまった。」

リーマン危機後の世界にとって、脅威はインフレではなくデフレであった。
いまだに各中央銀行の2%物価目標は達成されていない。
10年が経って、多くの人がインフレを敵と思わなくなっている。

「しかし、失業率は4%に近く、財政刺激策が講じられれば・・・インフレがオーバーシュートするリスクがある。
これはまた、金融政策による潜在的なオーバー・キルのリスクを押し上げ、経済拡大を阻害しかねない。」

物価目標や市場予想以上にインフレがオーバーシュートすれば、人々はインフレの不快さを思い出すことになる。
FRBもいつかインフレ退治のための金融引き締めを復活させるかもしれない。
インフレ退治の引き締めが経済を冷やすのは、過去の多くの景気サイクルで見られた現象だ。

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