MMT的な金融・財政の協調へ:レイ・ダリオ

ブリッジウォーターのレイ・ダリオ氏が金融・財政政策とモダン・マネタリー・セオリー(MMT)についてレポートを公表した。
より高い景気刺激策の効果を求めるため、金融・財政政策の協調が企図され、その性格がMMTと似てくるだろうという。


そもそも金融政策もMMTと広範な概念であるため、ダリオ氏も定義から入っている。
同氏は金融政策を3つの類型に分類している。
・MP1: 利下げ
・MP2: 量的緩和
・MP3: 金融・財政政策の協調

ダリオ氏は、MP1とMP2の経済刺激効果が低減しており、大多数の人の生産性・繁栄の向上には資することがないとみている。
結果、MP3が求められるようになると予想する。

「このシフトが起こるのは不可避だ。
金利が0%で量的緩和が目標達成のための効果を失っても、中央銀行は金融緩和を望むだろう。」


将来の景気後退期、ゼロ金利で利下げが打ち止めとなり、量的緩和も効果が低減すると、ダリオ氏は考えているのだ。
そうなれば財政政策となるが、クラウディング・アウトを起こさないようにするためには、金融政策の援護射撃が必要になる。
ここに金融・財政政策の協調の利点がある。

MMTについても、再定義した上で、実現の可能性が高いと示唆している。

「呼び名は別として、
1) 金利を0%近傍で固定
2) 結果生じる財政赤字を埋める債務を貨幣化することで、柔軟な財政政策
3) 厳格な物価目標
からなる政策の実現性・必要性・可能性が準備通貨国で高まるのは間違いない。」

この1-3のパッケージをMMTと呼ぶ人はむしろ少数かもしれない。
これが、MMT論議の奇妙なところだ。
実際、ダリオ氏はMMTのいい点について「より狙って望ましい使途に予算をつけることができる」点を挙げ、具体例として雇用保障を挙げている。
(金融緩和が格差拡大を助長するのを否定的に見ているためだ。)
不思議なことだが、MMTの議論とはマネタリーな議論ではなく、借金の先の歳出側の議論と混同されてしまうようだ。


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