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FRB資産買入れはもう見合わない:モハメド・エラリアン

アリアンツ経済顧問のモハメド・エラリアン氏が、先週のジャクソンホール会議の内容について解説し、従前どおりパウエル議長のスタンスを批判している。


パウエル議長が、何らかの政策の進化について新境地や実行の詳細について語っていたなら、現時点でタカ派的に振れるのが避けられなかっただろう。
議長は、投資家が株式・債券を押し上げる理由をまた提供した。
実際、債券価格が上昇する中で、株式は新高値に上昇した。

エラリアン氏がBloombergへの寄稿で、先週のジャクソンホール会議でのパウエル議長の講演についてコメントした。

パウエル議長は同会議で、政策の成果が表れてきていると話した。
インフレは目標を達し、雇用にも改善が見られているという。
ただし、雇用についてはまだ目標に達したとまでは考えていないのだろう。
ともあれ、年内のテーパリングが適切との考えを示したから、依然よりはタカ派的スタンスに変化したともとれる。
ところが、市場はそうは捉えていない。

エラリアン氏は、パウエル議長が2点を付したことで、タカ派的との印象を抑えることに成功したという。
1つは、テーパリングと利上げを連動しない別個のプロセスとしたこと。
もう1つは、金融政策正常化のスケジュールや条件にあいまいさを残したこと。
こうすることで、市場・経済が金融政策正常化を意識しすぎないよう誘導したのだ。

エラリアン氏はこれまで、FRBのテーパリングが遅きに失したと批判してきた。
その見解はジャクソンホール会議を終えても変化していないようだ。
パウエル氏の講演について5点問題点を挙げている。
中でも重要と見られるのがインフレについての見方と金融安定への関心の薄さだ。
エラリアン氏は、投資家は別としてエコノミストの意見は割れていると紹介する。
勘違いであることを願いつつ、FRBに対し懐疑的なスタンスを続けている。

FRBの大規模な資産買入れが及ぼす経済や金融システムのリスクが積み上がっている一方、経済に対するプラスの影響はあっても限られている。

何かどこかで聞いたことのある議論だ。
おかしな話だが、日本は経済が回復せず、インフレにならず、資産インフレもそれほどでないからこそリスクが積み上がりにくい面があるのだろう。


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