FRB引き締めで外国のデフォルト確率が上昇:FRB

FRBのエコノミストが、米金融政策と外国での銀行危機発生との関係を分析している。
それによれば1%の引き締めがデフォルト確率を1-7%引き上げるのだという。


「米金融政策が外国の銀行危機に及ぼす影響とはなにか?
それは、国ごとの特徴、米国やその他世界とのつながりの性質によって違いがあるのか?」

FRBのBora Durdu氏らがFRBサイトで、論文の問題意識を定義している。
実務家からすれば自明の問いかもしれない。
とりわけ新興国などは、米国など先進国の金融政策に右往左往してきたからだ。

論文の著者もそうした経験を繰り返してきたようだ。
過去の例がYesという答を示唆していると導入部で書いている。

「1980年代初めの国際的な債務危機は1980-82年のボルカーFRB議長(当時)による引き締めの後に起こった。
メキシコ・ペソ危機は1994年のグリーンスパン議長(当時)の引き締めの後。
さらに、現在の米金融政策の緩和サイクルが始まって後の過去5年間、2013年春『テーパータントラム』があった。
ドル高とコモディティ下落が2014年半ば。
人民元ショックが2015年半ば。
アルゼンチンとトルコの混乱が2018年半ば。」

こうした例が示唆する結論が正しいのかどうか、著者は1870-2010年の140年間、69か国のデータベースから検証している。
そして、予想されたとおりの結論を得ている。
まずは、米国への直接のエクスポージャーが大きい国々。
ここで言うエクスポージャーとは、貿易上のつながりやドル建て債務を持つかで定義されている。


「対象国のロジスティック回帰を検証したところ、米金融政策引き締めは米国に直接のエクスポージャーを有する国々の銀行危機の確率に対し、大きな正の同時的効果を及ぼすことがわかった。
その影響度は統計的に有意で経済的に意味のあるものだ。
米金融政策の1%の引き締めは、米国へのエクスポージャーの水準によって、約1-7%デフォルト確率を上昇させる。」

著者はこうした現象が起こる原因として資本フローの影響を挙げている。
米金融政策の影響が無秩序な資本フローの調整を引き起こす場合、銀行危機の確率が上昇するのだという。

一方、米国への直接のエクスポージャーが小さく、むしろ世界経済に組み込まれている経済の場合、米金融政策による危機の確率への影響はあいまいなものにすぎないという。
つまり、及ぶ影響は国や経済ごとにまちまちということだ。

米金融政策が外国経済に影響を及ぼすという結論はかなり自明に近い結論だった。
一方、国によってかなり影響度に差があるというのは、同じく当然ではあるが、まだ新鮮さも感じられるかもしれない。
米経済が景気後退に向かう中、傷を浅くする可能性がありうることを暗示しているからだ。
その答は、例えば新興国の指数を買えばいいというようなものではなく、地域・国・産業・銘柄を選別しなければいけないということだろう。


 - Exclusive, 海外経済