FRB利下げが景気後退を招く:ジェフリー・ガンドラック

債券王ことDoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏は、予想されるFRB利下げが想定外の結果をもたらす可能性を指摘している。
イールド・カーブの順ざや化を狙う利下げは、むしろ景気後退のサインになりかねないという。


「FRBが利下げすることで自らのモデルを改めることはできないか?
利下げすればイールド・カーブを治すことができ、それが景気後退確率に効かないか?」

ダブルラインのジェフリー・シャーマン氏がポッドキャストで、一般投資家を代弁してガンドラック氏に質問している。
イールド・カーブ長短逆転は景気後退の先触れとして極めて確度の高い先行指標だ。
実際、ニューヨーク連銀は10年-3か月スプレッドから12か月内の景気後退確率を計算する経済モデルを開発し、計算結果を公表している。
そこで、神をも恐れぬ政治家・学者・官僚・市場関係者は考える。
短期政策金利を押し下げて順イールドにすれば景気後退確率が下がるのではないかと。

これが皮肉なのは、FRBがそれ(イールド・カーブを順イールドにするために短期政策金利を引き下げること)をすれば、それが他の兆候に対して景気後退確率を大きくするように働くことだ。


なるほど、この視点は経済と刺激策を理解する上で重要な観点かもしれない。
米国の景気後退が経済の過熱とそれを抑止する引き締め策の行きすぎであるならば、イールド・カーブを人為的に順イールドにするという行為は過熱を助長することかもしれないし、すでに引き締めすぎが起こったあとの反動なのかもしれない。
この日、ガンドラック氏は後者である可能性を匂わせている。

「(イールド・カーブは)しばらく反転したままで、経済がマイナスのモメンタムに深く入り込む直前にスティープになるものなんだ。
債券市場はそれを嗅ぎ付け、
『ああ、FRBが急いで緩和している。
さらに経済の下降モメンタムが大きくなると信じているんだな』
と言っているようなものだ。」

ガンドラック氏は自社が注視している長短スプレッドから30年-5年スプレッドを挙げ、2018年半ばに底を打って拡大に転じていると指摘。
イールド・カーブのスティープ化はすでに一部で始まっていると警告した。
ガンドラック氏は、いくつか条件を置きながらも、慎重な見通しを語っている。

もしも債券市場の価格形成が正しく、FRBが今年2.5-3回分利下げするなら、このダイナミクスが再び起こるのを目の当たりにすることになるのはほぼ確実だ。
奇妙な話だが、現在は、イールド・カーブによるモデルを立て直すことができず、立て直そうとすれば景気後退がやってきてしまう状況なんだ。


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