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FRBは資産価格に対して完全に無知:ジェレミー・グランサム
2021年9月18日

バブルの研究家として有名なGMOのジェレミー・グランサム氏が、バブルを生み続けるFRBを批判し、投資家はFRBを信頼すべきでないと説いている。


「パウエルFRB議長は、グリーンスパン、バーナンキ、イエレンらの小さなカルト教団の一員で、みんなで群れを成しているんだ。
彼らはみな、金利低下とモラルハザードが資産価格を押し上げることを理解していた。
資産価格上昇がプラスの所得効果を生み出すことを理解しており、実際にそうなっている。」

グランサム氏がThe Investor’s Podcast Networkで、資産効果を見込む金融政策の危うさを指摘している。
「モラルハザード」とはFRBプットにより希薄となった市場の自己責任の原則だ。

前世紀終わりからの米市場でのバブル発生に金融政策が深く関わっているのは周知の事実。
FRBが資産価格上昇を金融刺激策の1つの重要な伝達経路と考えているため、景気刺激の大義名分の下、資産価格が押し上げられる。
どこまで上昇しても下がらないなら、あるいはインフレ(例えば家賃)も起こらないならよいが、過去を見る限りそうとは見えない。
それなのに、FRBはいつも自慢気に金融緩和を吹聴する。

「彼らはみな(金利低下とモラルハザードが)どんなに資産価格やその値付け、株式市場にとって有利かを華々しく語る。
ところが、それは米史上最大の2つの暴落を止めることはできなかった。
印象的なのは、彼らがあたかも記憶を失ったかのように同じことを何度も繰り返していることではなく、2度もひどく失望させられたにもかかわらず金融コミュニティが信認を寄せている点だ。」

グランサム氏は、人々のFRBに対する信頼が行きすぎていると指摘する。
実際、投資家は過去何度も大やけどを負わされているのに、FRBを信頼しきっているという。
(「2つの暴落」とは2000年ドットコム・バブル崩壊、2007-08年サブプライム/リーマン危機崩壊だ。)
同氏によれば、現実には、とりわけ資産価格について、FRBの知見は多くないという。

FRBは単純に資産価格バブルと資産価格崩壊のリスクを理解していない。・・・
グリーンスパンは、市場が割高か、根拠なき熱狂か、それとも本当に健全なのか、わかっていなかった。・・・
FRBの統計の専門家は資産バブルを扱っていない。
その点で、彼らは完全に無知だ。

グランサム氏は、今後もFRBが資産価格上昇に目をつむり、バブルが崩壊すれば事後的に対処することになると示唆する。
本来なら、事前にバブルを予防すべきだったのに、それが行われない。
グランサム氏は、次のバブル崩壊を心配する。

今回は、単に住宅バブルだけでなく、株式市場のバブル、コモディティのバブル、金利のバブルがある。
最大の損失になる。
次に悲観的になる頃には、歴史上のいつの時代よりも大きく資産価格を引き下げる可能性がある。

グランサム氏は最近しばしば1980年代終わりの日本のバブルについて言及する。
その後遺症が大きく長引いた理由を、不動産と株式の両方でバブルが起こったためと分析している。


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