海外経済

FRBは早く動きすぎた:ローレンス・サマーズ
2020年3月8日

ローレンス・サマーズ元財務長官(元ハーバード大学学長、現教授)が、G7とFRBにダメ出しをしている。


「G7会議で世界的協力を話し合いながら世界的協力の実行を決められなかったのは賢明ではなかった。
その2時間後FRBは単独で行動した。」

サマーズ氏がBloombergで、新型コロナウィルスによる混乱についてコメントした。
国際社会が協調して行動できないことを嘆き、FRBが拙速に行動したことを嘆いている。

サマーズ氏は、事態の鎮静化はFRBの使命ではないはずと指摘する。
(確かにこれは物価にも雇用にも直接は関係しない。)
そのFRBが、過去25年で数回しか例のないFOMC以外での利下げに踏み切ったことが、人々に不安と警戒心を与えたという。

それだけではない。
FRBが50 bp利下げした後も、市場は乱高下を続けている。
これがFRBの政策手段の有効性に疑問符をつけてしまった。

(利下げ余地は)150 bpも残っていなかった。
FRBは50 bpを浪費し、さらにFOMC以外で動いたことでノイズが生じた。
市場を安定させることもできず、利下げ後、市場は以前より速く下落した。

サマーズ氏は、FRBが手持ちの手段をもっとゆっくりと使うべきだったと指摘する。
50 bpの利下げについて「はっきりした効果は見えない」とし、将来のために温存すべき弾薬を無為に失った可能性を示唆した。

FRB利下げについては、しかたがなかったと見る人がほとんどだろう。
本質的な議論をするなら、効果が薄かろうが何かすべき、ということ。
本質的でない議論をするなら、FRB内外の政治的な力学から見て利下げせざるをえない、ということになる。
一方、サマーズ氏は、もっと対応を遅らせるべきだった、とおそらく不人気であろう意見を述べている。
世界銀行のチーフエコノミストも務めた経済学者には、危機対応についてもそれなりの考えがあるのだろう。

同様に政策対応は後回しとすべきと唱える人に、IMFチーフエコノミスト、インド中銀総裁を務めたラグラム・ラジャン教授がいる。
同教授は、まず伝染病と戦い、ある程度の結果を出し、それを示すことで人々の信頼感を回復すべきと主張している。


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