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FRBは急ブレーキを踏むことになるかも:モハメド・エラリアン

アリアンツ首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏は、足元の高い消費者物価上昇率(CPI)について注意して見るべきとしながらも、FRBが後手に回るリスクについて警告している。


「(4月のCPIは)サプライズだった。
みんなの予想よりかなり高く、FRB高官も彼らの予想よりはるかに高かったことを認めた。
しかし、重要なのはこれがまだ単月の数字にすぎないこと。
これを外挿するのには注意が必要だ。」

エラリアン氏がCNBCで、市場予想を大きく上回ったインフレ率についてコメントした。

4月のCPIは総合が前年比4.2%上昇、コアが同3.0%上昇だった。
これが金利上昇を連想させ、米市場は主要指数が軒並み下げる展開となった。

エラリアン氏は、まだ単月の数字であり、今後の一過性の要因の剥落とともにどう変化するかを注視する必要があるという。
一方、FRBはいまだ足下のインフレを一過性とする考えを崩していない。

これには別のメッセージも含まれている。
これが高インフレ懸念を示している一方、FRBは、これが一過性との考えに固執し、柔軟な姿勢を持っていないことだ。
この組み合わせが、流動性パラダイムの頑強性を脅かすことになる。

エラリアン氏は現状の金融市場を「流動性パラダイム」という言葉で表現してきた。
政府・中央銀行が市場に注入した莫大な流動性が金融資産を押し上げる流動性相場のありようを表したものだ。
金融資産を押し上げてきたパラダイムにわずかに変調の兆しが見えているという。

今日下落したのは株式だけでなく、株式、ビットコイン、金、債券と全面安だった。
これは流動性が引き起こす現象だ。
潤沢で予見可能な流動性が市場を持ち上げ、リスク資産・安全資産の両方を押し上げたように、今少しこの流動性パラダイムへの確信が揺らいでいる。

市場は高いCPIの数字に反応し、少しばかりリスク・オフを演じた。
インフレ上昇によりFRBが金融緩和の手を緩めたり、長期金利が上昇したりするのに備えたものだ。
一方、FRBの方はエラリアン氏によれば、金融緩和縮小を急ぎすぎることはないという。
インフレ等の実績の数字によって政策を決めるアプローチを採用しているからだ。
FRBは平均物価目標を採用しているし、足元のインフレも短期的には(ベース効果剥落等で)下げる可能性がある。
FRBが急がないなら、残るリスクは、FRBが後手に回ることだ。

私が考える限り、FRBはカナダ中銀やBOEに追随すべきだが、FRBは動こうとしておらず、信認が危うくなっている。
FRBは待とうとしており、それを市場は心配している。
FRBが急ブレーキを踏むことにならないか。
市場はFRBより先に引き締めを始めている。
もしも、インフレの数字が高いままなら、投資家はそれを乗り切らないといけない。


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