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FRBはもう助けてくれない:モハメド・エラリアン
2021年12月22日

アリアンツ経済顧問のモハメド・エラリアン氏は、投資家にとって来年が今年までとは大きく異なる年になるとして、身に付いた条件反射をやめるべきと話している。


インフレが多くの人の予想より高く持続的であることがわかったのだから、(引き締めは)正しい金融政策だ。
インフレが問題となった時に中央銀行が刺激策を継続するのは至難の業だ。

エラリアン氏がCNBCで、インフレが上昇した今FRBの行動はかつてとは異なってくると予想した。

同氏が重視する変数がインフレ率である点に注目したい。
投資家の中には、FRBが資産価格下落を容認せず、市場が下落すれば金融緩和に回帰するとの見方が根強く戻っている。
しかし、エラリアン氏が言及した変数はいわゆるインフレであって資産価格ではない。

今後さほど大きな財政・金融政策が行われるとは思わない。
市場はそれに慣れないといけない。

高インフレにより金融政策は変化せざるをえない。
では、財政政策はどうか。
バイデン政権は民主党内からの反対で「ビルド・バック・ベター」政策の実現が危うくなっている。
すべてがなくなるわけではなかろうが、規模は下振れしそうだ。

エラリアン氏は財政政策について、ハードよりソフトのインフラ整備が重要になると主張する。
人的資本の整備は労働参加率を高め、供給が需要に柔軟に対処できるようにし、生産性を高めるためだ。
いずれも高インフレから脱するために必要なポイントになっている。

投資の観点からは、エラリアン氏は2022年が2021年とは全く異なる年になるという。
これまでは、困った時には必ずFRBが流動性注入で助けてくれた。
投資家は、経済・パンデミック・国際情勢における心配を度外視して押し目買いに勤しめばよかった。
何を買ってもそこそこ儲かってきた。

大規模で予見可能な流動性注入がほぼ保証されていたからだ。
変わりつつあるのは、もはやそれに賭けることはできないということ。
市場は、ファンダメンタルズを勘案し、銘柄ごとの差をもっと見なければいけない。

今後脆弱となりうるセクターを尋ねられると、エラリアン氏はテック株についてコメントしている。

「テック株は需要側、低需要、供給の混乱の両方、インフレについて影響を受けにくい。・・・
でも問題なのは発射台の高さ、過去数年にどれだけアウトパフォームしてきたかだ。・・・
だから、テクニカル要因による調整があるだろう。」

経済・市場全体のリスクについては、エラリアン氏は政策の失敗だと話している。
典型的には、インフレ昂進にともなう急激な金融引き締めであろう。

まだ経済はかなり強い。
GDPの15-16%を政府から家計に移転したため、バランスシートはまだ健全だ。
これは莫大なバッファーになっているが、侵食されている。
内的な弱さよりも政策の失敗の方が大きなリスクだろう。


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