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FRBの自縛を見透かす市場:モハメド・エラリアン

アリアンツ首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏は、米経済の現状と見合わない金融緩和を続けるFRBの状況を解説し、近いうちの政策変更の可能性が大きくないと示唆している。


経済回復は勢いを増している。
その今、金融・財政政策の両方が全開の状態だ。・・・
これが意味するのは、加熱リスクが至るところにあるということだ。

エラリアン氏が、米経済の状況を解説した。

いまだに長いトンネルを抜けられない日本の住人からすると想像するのが難しいが、米国では経済も市場も絶好調なのだ。
その絶好調の中で、いまだに異例の規模の拡張的金融・財政政策が継続している。

エラリアン氏は、以前からインフレが一過性でない可能性を主張し続けてきた。
仮に一過性でなければ、それが金利上昇圧力を生むことになる。
現状の金融・財政政策の継続は、程度はどうあれインフレ圧力を高めるように働くだろう。

「今もしもこの政策ミックスを続ければ、大きな改革を含む財政政策が、かつてほどの影響力のなくなった金融政策によってクラウディング・アウトされてしまうリスクがある。
今なすべきは政策ミックスの修正だ。
そうしなければ、バイデン政権が望む改革が犠牲になってしまうかもしれない。」

エラリアン氏は、政策ミックスのうち金融政策について少しアクセルを緩めるべきと考えている。
このままアクセルを全開にしていれば、インフレ昂進のリスクを高め、将来FRBが急ブレーキを踏まざるをえなくなる危険が高くなってしまう。
そう主張しつつも、同氏はFRBの方向転換を難しくしている3つの理由を挙げた。

  • インフレは一過性と繰り返してきた。
  • テーパリング検討を考えもしないと繰り返してきた。
  • バックワードルッキングな枠組み: 予想ではなく実績に基づいて判断すると宣言した。
    「これは、問題が総需要にある時にはとても役立つが、問題が総供給にある今は役立たない。」

FOMCを控えたFRBの状況、市場の状況について、エラリアン氏は解説する。

FRBは自ら作ったパラダイムから抜け出すのがとても難しい状況にある。
だから、FRBがずっとアクセル全開でも市場は安心しているんだ。

市場はFRBの自縛を見透かしている。
インフレや金利に上昇圧力が加わりかねないことがわかっていても、当面はFRBが動かないと見透かしているようだ。
結果、CPI上昇が一過性かどうかはともかく、資産インフレはまだしばらく続きそうと見ているのだろう。


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