FRBがすべきことはない:バイロン・ウィーン

ブラックストーンのバイロン・ウィーン氏が、広範なテーマについてぶれない意見を述べている。
集団催眠にかかったような金融の世界において、原理原則を重んじる語りはむしろ新鮮だ。


私は、経済が利下げを必要としていないとする陣営の一員だ。
金利はすでにとても低く、利下げして何かいいことがあるとは思えない。

ウィーン氏がCNBCでFRB金融政策について語った。
86歳になる賢人はとにかくぶれない。
市場の感情の前にまずファクトを見る。
現状の雇用や経済成長の水準は、米国のような成熟した経済としては十分な水準にあると分析している。

「FRBは何もすべきでない。
イールド・カーブをスティープにするために利下げするというのは良い理由とは言えない。」

経済は悪くないのだから金融緩和は本末転倒という意見だ。
また、景気後退の先ぶれとなるイールド・カーブの長短逆転を解消するために短期金利を引き下げるというのはもっと本末転倒だ。
人為的に作った右肩上がりのイールド・カーブには金融機関を少しばかり助ける程度の効果はあるかもしれないが、景気後退を跳ねのける効果はないだろう。

ウィーン氏はぶれずに原典に立ち返って正論を語った。


トランプが利下げを求めているのは、2%でなく3%の経済成長を望んでいるからだ。
経済をより高い率で成長させることはFRBの使命ではない。
FRBの責務とは完全雇用と低インフレだ。
米国は完全雇用と低インフレにあり、FRBがなすべきことはない。

世間におもねることなく正論を語れるところがすごい。
とりわけ《物価の安定》と言わず「低インフレ」というところに、古き良き常識人を感じさせる。

ウィーン氏は、市場が予想するような75 bpの利下げは予想していない。
これにともない株価上昇も限定的とし、年後半は地固めの時期になると見ている。

最近上昇している金相場について尋ねられると、ウィーン氏は背景にある投資家心理を解説している。

「金(上昇)が示唆するのは、不確実性が増しているということ。
インフレを示唆しているわけではない。
おそらく、地政学的な不確実性だろう。
しかし、みんな金融資産への自信を失いつつあり、何かハード・アセットを持ちたがっているのだろう。」

トランプ大統領が繰り返すドル安誘導発言については、ウィーン氏は、成功しないのを願っていると話す。
同氏は、ドル安がいいことだとは思わないためだ。

輸出には助けだろうが、基本的にトランプ前の大統領でドル高以外を望んだ大統領はいない。
ドル安は新興国にはいいことだろうが、米国にはいいことではない。


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