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FOMC結果に応じたゲームプラン:ポール・チューダー・ジョーンズ
2021年6月15日

ポール・チューダー・ジョーンズ氏が、インフレを一過性とするFRBの見方を誤りだとし、FOMCの結果に応じたゲーム・プランを明かしている。


(今週のFOMCは)ジェローム・パウエルFRB議長のキャリアで最重要のFOMC、過去40-50年で最重要のFOMCになろう。
理由は、FRBの使命と経済モデルを脅かすあまりにも多くのデータが出てきているためだ。
FRBがそれにどう対応するかがとても重要であり、投資家にとっては今後のポートフォリオをどうすべきかに大きく影響する。

チューダー・ジョーンズ氏がCNBCで、15-16日のFOMCの重要性を説いた。
同氏は、FRBが主張する、インフレを一過性とする考えに反対の意見を述べている。
また、雇用の回復ペースはかなり早く、10月にもパンデミック前の2020年1月と同水準に戻る見込みと予想している。
いずれも2013年のテーパ―タントラム時よりはるかに良好な数字であり、FRBの政策に差が出るのは不可解だという。

それなのに、その時に、代わりに量的緩和を行い、すでに熱く熱している経済を加速させようとしている。

チューダー・ジョーンズ氏は、今はマクロ経済を刺激すべき時ではないという。
本来のマクロ経済政策は山谷を平坦にするものだったはずが、後先を考えずに山を高めることに集中しているからだ。

現在の財政・金融政策のミックスは最もばかげたものだ。
FRB設立以来(初めて)すべての経済の正統に反することが行われている。
これは、2017年に失業率が4.5%から4.1%へ低下する中でトランプ大統領(当時)が平時に5%の財政赤字を出して法人減税を行った時に始まった。

チューダー・ジョーンズ氏は、トップが正統を無視したため、社会がそれに追随するようになったとし、それが金融安定を脅かしていると指摘する。
ミーム株やSPACでの問題行動は、その「小さな現れ」だという。
同氏は、今週のFOMCが正統に回帰するか否かに注目する。

もしもFRBがこれらの数字を、とても重要なイベントであるこれら数字を無頓着に扱えば、すべてのインフレ・トレードに大きく賭ける青信号になると考えている。
インフレが一過性とする考えは、私が世界を見る見方からすれば役に立たないと思う。

チューダー・ジョーンズ氏は、インフレ・トレードとなればコモディティが買われると予想し、インフレが高止まりする理由、機関投資家のコモディティへの配分が過小である点を力説した。
市場の薄いコモディティにSNSの群衆が参入し、ミーム株のようになる可能性もあると煽っている。

同氏のトレーダーとしてのFOMC後のゲーム・プラン:

FRBが方針を変えない場合:
「インフレ、インフレ・トレードに賭ける。
おそらくコモディティ、暗号資産、金を買う。」
同氏はビットコインを分散の手段、富の保蔵手段として評価しているのだという。

FRBが方針転換する場合:
「テーパ―タントラムが起こり、フィクストインカムが売られ、株式が調整する。
でも(2013年と同じく)世界の終わりではない。」

これはあくまでトレーダーとしての比較的短期のトレードのプランだ。
チューダー・ジョーンズ氏は、長期投資家に対するアドバイスも求められている。
真っ暗闇のような内容だ。

私が言い続けてきたのは、自分が年金の運用者でなくてよかったということ。
金利も株式も両方とも割高で100年来の高いバリュエーションにある時、どう投資すればよいのかわからない。
1つ分かっているのは、インフレが有害になりうることで、インフレ・ヘッジとなりうるものをなるべく多く取り入れることだ。

もちろん、この漠然としたアドバイスで納得する人は少ないだろう。
特に、保有資産に占める年金受給権が大きい日本人にとっては、この話には絶望的な響きさえある。

チューダー・ジョーンズ氏はもう少し具体的な話もしている。
知り合いや従業員からポートフォリオについてのアドバイスを求められた時にする話だという。

私が確かだと言えるのは、金を5%、ビットコインを5%、現金を5%、コモディティを5%持っておきたいということ。
残りの80%は今はわからないが、FRBの動向が大きな影響を与えるので注視したい。


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