投資

FANGアウトパフォーマンスは新パラダイムか:ジェレミー・シーゲル
2019年5月21日

ロバート・シラー教授とジェレミー・シーゲル教授のウォートン校での講演の第2弾。
シーゲル教授が、ファクター投資やFANGのアウトパフォーマンスについてコメントしている。


みんな知っているとおり、過去10年はグロース株にとってとてもいい時代で、バリューは出遅れる傾向があった。
その結果、バリュー投資家は苦戦した。
そこで疑問が湧く。
『これは新たなパラダイムなのだろうか。
この状態が継続するのだろうか。』

シーゲル教授が自校での講演で、ファクター投資に関連した疑問を語った。
教授は1990年代に著書を執筆中、ファクターについて実証的調査を行ったのだという。
そこで、過去のデータから素朴な発見をしている。

「私がこれらのファクターを見ていて気付いたのは、ファクターのパフォーマンスにむらがあるということだ。
長い期間とても強い状態が続きアウトパフォームし、その後長い期間そうでない期間が続く。」

そうした調査での最大の発見は小型株効果に関するものだったという。
小型株効果は、ファクター投資の中でもかなり固いアプローチとの印象がある。
しかし、その根拠となるデータには大きな「むら」があったのだ。

「1990年代終わりに私は、1929年以降の小型株プレミアムを調べた。
それでわかったのは、すべての小型株プレミアムは1975-83年の9年間によるものだった。
小型株が信じられないほどアウトパフォームした9年間だ。
残りの70-80年間(注:おそらく正しくは60年)、小型株はアンダーパフォームしていたんだ。」

70年間のうち9年しか通用しないファクターならば用いるメリットは相当に薄くなる。

小型株効果にはシーゲル教授が指摘した期間ごとの「むら」の問題だけでなく、上場廃止バイアスという問題もあるとされている。
安易に小型株に重点を置くことは必ずしも得策でないのかもしれない。

シーゲル教授は、ファクター投資の検証の経験から近年と将来の市場について問い直している。

今起きていることはどうなのか。
FANGのアウトパフォーマンスは新たなパラダイムなのか。
それとも、いつかは終わるただの「むら」なのか。
誰も確かなことはわからない。
しかし、言えるのは、その他のファクターでも自然な調整やその後に消えるむらは見られるものなんだ。

市場全体のバリュエーションについては中央回帰しないと主張するシーゲル教授も、ファクターの話では中央回帰を示唆する。
まさに投資の不思議であり醍醐味だ。


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