Amazon/Google/Uber効果の3段階:モハメド・エラリアン

Allianz首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏が、Amazon/Google/Uber効果後に起こりうるインフレについて書いている。
現在はまだ3段階のプロセスの初期段階にすぎないのだという。


「今日の驚くほどの低インフレはより大きな構造的な力に関係しており、単に総需要不足に根ざすものではない。
技術革新(特に人工知能・ビッグデータ・モビリティに関する)が伝統的な経済的関係を幅広く破壊し、価格決定力を侵食したのだ。」

エラリアン氏がProject Syndicateに書いている。
Amazon、Google、Uberなどに代表される企業の登場で、物価が上昇しにくくなっているとの主張だ。
注目したいのは、この寄稿では、その後に起こることがシナリオとして提示されているのだ。

先を見通すと、Amazon/Google/Uber効果が優勢である初期段階がしばらく続くだろう。

これが現在起こっている「初期段階」であり、インフレが進みにくい状況にあると指摘されている。
しかし、時間とともに、Amazon/Google/Uber効果に相反する方向の要因が高まってくるという。


しかし、その後は第2段階へと進展し、労働市場の引き締まり・ポピュリスト的国家主義・産業の集中が、新技術の普及による一時的な構造的効果を打ち消し始める。

労働市場がさらに引き締まるようなら賃上げも進むだろうし、独占・寡占が進めば値上げもしやすくなる。
ポピュリストは賃上げを後押しするだろうし、金融・財政政策を拡張的に保とうとするだろう。
さらには関税等がはびこるようならそれも物価を押し上げるだろう。

第3段階では、ついに政策決定者や投資家をインフレ上昇が驚かす可能性があり、過度な反応が悪い状況をさらに悪くするかもしれない。

足元が低インフレだからといって、政策決定者や投資家はインフレの可能性を排除すべきでないとエラリアン氏はいう。
一方で、第2・第3段階がいつやってくるかは「ほとんどのパラダイム・シフトと同様」予見できないとした。

「いずれにせよ、先進国経済の政策決定者は、これまで考えていたより幅広く変化しうるものとしてインフレ見通しを考えなければいけない。
構造的なものとしてでなく、過度に循環的なものと見れば、将来の経済的幸福・金融安定に深刻なリスクを及ぼしかねない。
時間とともに一般的な考え方が幅広くなるにつれ、インフレ・プロセスの次の段階に進む確率が高まり、わくわくするような一時的な技術イベントが終わり、古来のより見知った傾向へと戻っていくのだろう。」


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