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6-6.5%の経済成長が株式の追い風に:ゴールドマン・サックス
2020年10月19日

ゴールドマン・サックスのピーター・オッペンハイマー氏が、来年にかけて株式市場への追い風が強まり、市場の牽引役の交替が起こると予想している。


来年、とても積極的な緩和的政策に支えられ、かなり強い回復が起こるだろう。
1年を通してユーロ圏全域で6-6.5%前後、世界でも6-6.5%のGDP成長を見込んでいる。
この見通し、さらに来年の早いうちにワクチンが認可される可能性から、環境は株式市場にとってとてもプラスであると考えている。

オッペンハイマー氏がBloombergで、来年にかけて株式市場に追い風が吹くと予想している。
同氏は今年の冬が「厳しい冬になる」と語っている。
コロナウィルス感染が季節的要因から悪化し、部分的ロックダウンを覚悟せざるをえないという。
しかし、それでも経済が回復過程にあることを看過すべきでないという。
そして、この景気回復がファクターごとの優位性に変化を与えるという。
長く続いたグロース優位からシクリカルやバリュー優位に変化するとして、いくつか要因を挙げた。

  • 世界経済がコンセンサスより速く改善すると予想。
  • それとともに債券利回り上昇を予想。
    「過去12年、シクリカル・バリューへのローテーションはいつも債券利回り上昇とともに起こっており、重要な要因だ。」
  • ワクチンができれば、それも明らかに楽観を後押しする。
  • 来年のコモディティ価格について強気予想。

景気の回復当初に優位になる傾向のあるシクリカルやバリューがついに花開くというのだ。
15日付のオッペンハイマー氏らのレポートではテクノロジーを「中立」に、食品・飲料・たばこを「アンダーウエート」にそれぞれ引き下げた。
一方、銀行・自動車を「オーバーウエート」に引き上げている。

少なくとも短期のチャンスとして投資家は市場の中で厳しく打ちのめされてきたシクリカル、特にバリューをもっと見直すべきだ。
必ずしも長期的な趨勢的トレンドが変わるというのではない。

オッペンハイマー氏は、「長期的な趨勢的トレンド」については引き続きグロースやディフェンシブ・グロースだと考えている。

牽引役交替については、市場では懐疑的な見方も多い。
なにしろこの20年、特にバリューは熱烈なファンの期待を裏切り続けてきた。
一瞬バリュー復活かと思えても、あっという間にぬか喜びであることを思い知らされる展開だった。

オッペンハイマー氏は、過去のぬか喜びを分析する。

ローテーションは存在した。
それらローテーションは短命だった。
それらにともなう債券利回り上昇もまたとても短命だったからだ。

グロースは成長率gによって株価が上昇するゆえに低金利の恩恵を受けやすい。
ビル・グロス氏らが解説したとおり、理論どおりの話だ。
過去、金利やインフレに上昇懸念が起こるたびに、逆にシクリカルやバリューへの期待が高まった。
しかし、その後FRBが金利を抑制したり、インフレ上昇が空振りだったりして、本格的な牽引役交替は起こらなかった。
今回も同じことが繰り返すのではないか。

オッペンハイマー時は今回が例外でありうる理由を話す。

「今は異なる局面に入りつつあることを忘れてはいけない。
過去10年は極めて緩和的な金融政策だったが、概して財政政策は引き締め気味だった。
現在、金融政策はさらに緩和的で実質金利はマイナス、これはポジティブなリスクだ。
さらに極めて大型な財政出動が行われている。」

金融政策はさらに緩和的になった。
加えて、世界的な広がりをもって異例に大型の財政出動が行われている。

オッペンハイマー氏は、米大統領選で強まるあるシナリオについても言及している。

米国で民主党が(大統領・上下院)総獲りとなれば、来年前半にもはるかに大きな財政出動が行われるだろう。
これがおそらくこの歴史的低水準から債券利回りを押し上げるだろう。
それがさらに市場のシクリカルやバリューの部分を牽引役にすると考えている。


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