海外経済

5年後のことはわからない:ケネス・ロゴフ
2020年6月29日

ケネス・ロゴフ ハーバード大学教授が、コロナ・ショック対応のための経済政策を評価し、それが最終的に生み出す弊害にも触れている。


私は、2009年にそうだったように、これまでの刺激策を大いに支持してきた。
もっとやる必要があると感じている。

ロゴフ教授がアルゼンチンBuenos Aires Timesのインタビューで、コロナウィルス対応の経済政策について語っている。
教授は当初からコロナ・ショックを戦争、エイリアン侵略、大規模自然災害のようなものと喩え、出し惜しみのない救済策・刺激策を求めてきた。
財政悪化が劇的に進行する中でも、まず生き残るのが最優先だとし、債務問題の棚上げを主張してきた。

その一方で、刺激策が永遠には継続できないことも明言する。

永遠には続けられない。
これはフリー・ランチではないんだ。・・・
いつか市場が抵抗を始める時が来る。・・・
もちろん、経済成長には長期的な影響を及ぼす。

ニューケインジアンにして国家債務のエキスパートであるロゴフ教授は今、金融・財政刺激策が必要と説く。
同時に、それには代償がともなうことも言い添える。
ハト派エコノミストには、聞かれない限り、あるいは聞かれても、ネガティブな面を話さない人も多い。
ロゴフ教授は、そうした姿勢とは一線を画している。
《問題も大きいが、今やらないといけないんだ》と言われれば、国家・社会のことを思う多くの人は真摯に向き合わざるをえなくなる。

コロナ・ショックの先には何があるのか。
BATimesは、将来インフレになるのかと尋ねている。
ロゴフ教授は率直に、全くわからないと答えている。
『オズの魔法使い』の1シーンを引き、竜巻に飛ばされているようと形容している。

「長い間デフレになるのかもしれないが、すべてが終わる時にははるかに高いインフレになる可能性ももちろんある。
金利が上がるかもしれない。
市場はそうは思っていないようだ。」

たった3文の中に、これほど不吉なトピックを散りばめている。
デフレ、高インフレ、金利上昇、市場が虚を突かれる。

ロゴフ教授は、現在の救済策・刺激策に賛成し、むしろもっと必要と言っている。
正しいことならば、そうそう止めるという話にはならないだろう。
結果、その政策が多くの好ましくないサプライズを生みうると言っている。

5年後がどうなるかわかっているという人がいたら、勝手に思い込んでいるだけだろう。
あらゆる種類の企業で倒産しそうなところがある。
米国は、経済における実質的にすべての債券・債務をFRBに保証させている。
今は大丈夫だが、5年後はどうなるか、私にはわからない。


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