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米ドル 40歳までに50万ドル貯めるには:CNBC
2021年4月18日

以前CNBCがアーリー・リタイアのための貯蓄計画を提案していたが、同じCNBCが今度は大幅に貯蓄目標を下げた計算を提示している。


前回の貯蓄計画では45歳までに112.5万ドル(約1.2億円)を貯める計画だった。
この金額があれば、その後年4%の不労所得(運用リターン)で元本を取り崩すことなく生活ができるからだ。
ただ、これには問題があった。
大学卒業後すぐに貯蓄を始めても、月2,491ドル(約27万円)の積立が必要になることだ。
これは普通のサラリーマンにできる積立ではない。
サラリーマンにとっての結論は、よほどの幸運がない限りFIRE(経済的に自立した早期引退)は無理、ということだろう。
《よほどの幸運》とは親の財産、宝くじ、暗号資産、VB株、大金を拾う等のようなことだ。

CNBCが今回計算したのは、40-55歳までに50万ドル(約55百万円)貯める計画だ。
CNBCは語りかける。

「50万ドルを貯めるなんて、大学卒業したての頃の今ではきつい目標だと思うだろう。
でも、時間と努力で実現できる。
ただし、毎月いくら積み立てないといけないかは、どれだけ目標より早いうちにスタートするかによって劇的に変わる。」

今回の前提も前回とかなり似たものになっている。

  • スタート時の蓄え: ゼロ。
  • 投資リターン: 年4%。
  • スタート時の年齢: 22歳。
目標年齢 月あたり貯蓄 円換算(概算)
40歳 1,584ドル 17万円
45 1,107 12
50 809 9
55 609 7

40-45歳を目標にするのは引き続きかなり厳しいだろうが、50-55歳を目標にするなら十分に考えうるのではないか。
もっとも、ここを目標にして立派に50万ドルを貯めたとしても、その金額では早期引退は危険すぎる。
少なくとも、年金受給年齢までは頑張ることになるのではないか。

CNBCは今回も、複利の魔法の恩恵を受けるために、なるべく早く積立を始めるべきと説いている。
消費大国の米国で実に思慮深い奨めだと思う反面、これが複利の魔法だけでなくデフレの魔法もかけてしまわないか少し心配になる。
消費性向の高い中間層以下が責任ある家計を目指すと、世の中はデフレに向かいやすい。
インフレを良しとする社会では、アリよりもキリギリスが必要とされている。

前回と同様、今回もインフレの効果は無視されている(言い換えると実質ベースの計算になっている)。
しかし、現実の世の中では実質金利はマイナスになっている。
前提とされている実質4%の利回りは、名目では6%を超えると考えた方がいい。
これは、たとえ米国であっても、分散ポートフォリオ(株式+債券)では容易とはいえない目標かもしれない。
(ロバート・シラー教授は昨年10月、今後10年の米国株の実質リターンを3%超と予想していた。
仮に名目で5%としても、分散ポートフォリオでは債券リターンによって薄まってしまう。)


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