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2023年に過熱し2024年には煮えたぎる:レイ・ダリオ
2022年1月7日

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏が2022-24年の市場・経済・政治の進展について刺激的な予想を公表している。


2022年はおそらく、短期(典型的には8±4年)債務・政治サイクルの中のより高ボラティリティの年の間に起こる、より低ボラティリティな遷移の年となるだろう。

ダリオ氏が自身のSNSで、今年2022年をサイクルの中で捉えなおしている。

同氏はこれまで景気変動を3つのパターンに分類し分析してきた:
生産性上昇、短期債務サイクル、長期債務サイクルだ。
(短期といっても8年前後、長期といっても超長期を指している。)
ダリオ氏がこの数年声を大きくして論じてきたのは、この中の長期債務サイクルであり、要点を3つ挙げていた:
金融政策がやり尽くされた後の貨幣増発、格差と政治的分断、新興勢力の台頭と覇権をめぐる対立。

ダリオ氏が今回言いたいのは、現在多くの人が騒いでいるのが長期サイクルの話ではなく短期サイクルについてであるということだ。
同氏はパンデミックで始まった短期サイクルを次のように振り返る:

この短期サイクルは、通常より大きく経済が落ち込み、通常より大きな左派への政治的変化が起こり、それらが相まって通常よりはるかに大きな財政・金融刺激策につながった2020年に始まった。
その状況が2021年、通常より大きな市場・経済活動・インフレの上昇につながった。

短期サイクルにしては異例に大きなものとなったが、これはあくまで短期サイクルであって、長期サイクルと混同すべきでないとの意図が滲む。
あくまで短期サイクルだから、長期サイクルの転換のような劇的なことは予想されていない。

「2022年は、大規模刺激策の後、大幅な引き締めと景気後退(例えば2008年より2010-11年、2000年より2002-03年のような時期)の前の遷移の年になると予想する。
経済は供給能力の制約以上に立ち直り、インフレとなっていることから、異常な金融緩和は後退し、いくらか引き締めが行われるものの、解決には十分でないだろう。」

ダリオ氏はFRBや市場の予想どおり金融引き締めが実施されると予想している。
しかし、それは短期サイクルを形成するものであり、長期サイクルの行き先を大きく変えるものではないと考えているのだ。
結果、投資環境は前例を踏襲するものとなり、まだ強気相場が継続するという予想になる。

サイクルのこの時期は通常、株式ほかの資産価格が金利上昇と同時に上昇する。
また、サイクルのこの時期は通常、経済・市場のボラティリティが、短期(8±4年)経済・市場サイクルの天井や底をつけるエキサイティングな年より低くなる。

100%こうなってきたわけではないが、この記述は過去の米市場をよく描写している。
サイクル終期、まだ金融緩和が序盤の頃、経済は回復しているのに金融環境は緩和的なままになる。
こうした前後に《最後のひと上げ》が起こりやすい。

ダリオ氏はもちろん長期サイクルの進展を取り下げたわけではない。
長期サイクルは短期サイクルの陰で進んでおり、遠くないうちに表面化すると見ている。

現在の市場の力や市場価格を考慮すると、これら(市場・経済活動・インフレの上昇)は沈静化する可能性が高いだろう。
しかし、問題はくすぶり、2023年にますます過熱し、2024年には煮えたぎるだろう。


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