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2021年に残された最大の脅威:ジェレミー・シーゲル

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が、インフレ上振れのリスクをあらためて指摘し、早ければ来月半ばにも大きな調整が入ると警告している。


「私は特に金利の状況について心配するようになった。
そして、それはインフレの状況による。」

シーゲル教授がCNBCで、米金利に上昇の兆しが見られる点について注意喚起した。

インフレ上昇が特に名目長期金利の上昇要因になりうることは皆が知っている。
問題はどのような経路で金利が押し上げられるのかだ。
名目金利におけるインフレの構成要素が拡大することで、市場がより高い名目金利を要求することによるのか。
しかし、近時に関する限り、インフレと名目金利が同期したとは言い難い。
インフレが上がっても名目金利はさほど動かず、実質金利が下がるといった現象も見られた。
実質金利が下がるなら、市場にとってはむしろ朗報となる。

シーゲル教授が心配するのは、むしろ金融政策を経路とする金利上昇要因のようだ。
インフレ上昇により金融政策が正常化・引き締めの方にシフトし、実質・名目の両方で金利が上昇する。
(実質金利を上げるようにしないと、インフレ封じにならない。)
実質金利が上がるなら、金融資産には向かい風だ。

シーゲル教授は、現在FRBがサウンドしているテーパリングのタイムラインは「OK」だという。
しかし、仮にインフレがFRBの想定より著しく過熱してしまう場合、FRBはタイムラインを前倒しせざるをえなくなるという。

『インフレを鈍化させるために利上げまでの時間を短縮しなければいけない』ということになる。
市場は明らかにそれに対する準備ができていない。
それこそ2021年残りにおける最大の脅威だ。

このシナリオの場合、今後の金利推移について想定を高めることになるため、市場心理を変化させる可能性があるという。
シーゲル教授は、現在の市場についての認識を明確化している:

  • 金利上昇や市場心理の変化がもう起こっているとは言わない。
  • 現在の株価が特に割高とも考えていない。

それでもインフレの上振れがFRBの背中を押し、市場に悪影響が及ぶリスクを勘案すべきだという。
シーゲル教授は自身の分析によって、インフレがFRBの想定より上振れる可能性を高く見ているのだ。
では、このリスク・シナリオが起こってしまった場合、市場にどのような悪影響が及ぶのか。

もしもパウエル議長が(テーパリングを)加速しなければならなくなるなら、調整の領域に下がるだろう。
つまり、10%超だ。
私は弱気相場は予想しない。
(起こるとしても)市場が月の半ば以降までじりじり上がった後なのではないか。

米市場で通常「弱気相場」といえば、20%超の下落を意味する。


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