JPモルガンのジェームズ・サリバン氏は、2021年にかけて新興国市場が先進国市場に比べはるかに有望になると話している。
多くの市場が史上最高値圏にある中で、現段階ではリスク要因は主に先進国市場に向かっている。
サリバン氏がBloombergで、先進国市場でリスクが高まっているとして、新興国市場に目を向けるよう話した。
先進国市場のリスクとして2点を挙げている。
- コロナウィルスの感染率が高い。
- 固有の政策上の問題を抱えている国がある。
サリバン氏は、新興国市場がはるかに魅力的と考える理由を2つ挙げている。
- 投資家のエクスポージャーがまだ少ない。
- 新規感染の率が低いまま。
さらにもう1つ、いわば欧米の自殺点とでもいうべきファクトを紹介した。
市民のワクチン接種への積極性の差だ。
「ここアジアでは、95%の人がワクチン接種を受けると答えている。
米国などの市場では数字が低下している。
春には80%だったのが今では50%を切っている。」
欧米の人々の中には、単に医学的な理由を越えて、ワクチン接種を拒絶する層が存在する。
サリバン氏は、それも投資においてマイナスと考えるべきと示唆したのだ。
同氏によれば、ワクチン運搬等において先進国の方が優位にあるとしても、市民の多くが接種を望まないなら優位にならないという。
サリバン氏は、新興国市場への資金フローはすでに始まっていると話す。
当然ながら選別は必要だし、人気化した場合には注意すべきと話すが、かなりの熱で新興国市場への投資を奨めている。
JPモルガンは2021年にかけて潜在的にさらに3,500億ドルの資金が新興国市場ファンドに流入すると予想している。
すでに過去数週間で300-400億ドルが流入した。
資金フローの変化という潮流が明らかに始まり、投資家が動きに対してポジションを適応させている兆候だ。