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2020年も米国株は順調、低金利が続く:バイロン・ウィーン
2019年12月25日

ブラックストーンのバイロン・ウィーン氏が、来年の米国株市場について強気の見方を示し、物色のしかたを説明している。


金利がカギだ。

ウィーン氏がCNBCで、米市場の先行きを決める主たる要素が低金利であると解説した。
株価の理論式における重要な要素の1つは金利だ。
その金利と裏返しの関係にある債券と株式は競合している。
金利が低ければ債券の魅力は低下し、株が買われる要因になる。

今後12か月、市場は順調だろう。
現状の金利の下では市場は割高ではない。
だから、まだ上がる余地がある。

ウィーン氏は、低金利がカギだと考えている。
だから、いつも「現状の金利」なら、と前置きしてバリュエーションを語る。
現状の2%未満の金利なら、20倍でも割高ではないと指摘する。

ウィーン氏のバリュエーションの感覚は簡単な目の子計算でも正当化される。
仮にリスクフリー金利を2%、株式リスク・プレミアムを3%とすれば、割引率は5%。
この逆数をとれば20倍になる。
リスク・プレミアム3%が甘すぎると感じる人もいるかもしれないが、一方で、この計算では利益成長も見込んでいない。
リスクフリー金利が変化しないと仮定するなら、PER 20倍は割高とは言えない。

ウィーン氏の強気の理由は他にもある。
地政学的リスクが和らいでいることだ。

「地政学的な背景も重要だが、それも晴れつつある。
中国とは第1段階の合意ができ、Brexitも解決したか、その見込みだ。
だから、市場を覆っていた雲のいくつかが晴れつつある、あるいは少なくとも以前ほど濃くはない。」

ウィーン氏はあくまでファクトに基づいて投資環境を評価する。
漠然とした将来への不安をそこに入れ込むことはしない。
将来不安は、それが顕在化する少し前に勘案すればいい。
2020年はまだそのタイミングではないのだ。

ウィーン氏は、リスク要因を2つ挙げるが、現時点では「2020年の市場を苦しめる厳しい雷雨」は予想していないという。

  • インフレ上昇が金利を上昇させ、市場に悪影響を及ぼす。
    しかし、2020年にはそれを予想していない。
  • プログレッシブな政権が誕生すれば、市場にマイナス。
    しかし、そうした候補の勝利は現時点では予想されない。
    大統領の弾劾裁判も有罪は予想されない。

ウィーン氏の投資推奨の特徴は《健全な楽観》とでもいうべきものだ。
その一方で、同氏は《健全な悲観》も備えている。
それは、インフレ・リスクにかかわるものであり、2000年から現在までの米財政の悪化である。

「債務は4倍近くになったのに、債務返済は25%しか増えていない。
これは永遠には続かない。
最後には金利は上昇し、市場に深刻な問題をもたらすだろう。」

ウィーン氏は、このリスクの顕在化がまだ2020年には起こらないと予想する。
「みんなにクリスマス・イブはぐっすり眠ってほしい」と前置きをしつつ、現状の低金利の理由を解説した。

「2008年には各国中央銀行のバランスシートは3兆ドルだったが、いまでは16兆ドルを超えている。
たくさんの流動性が存在し、行き場を探している。
この流動性が金利を低位に保っている。」

ウィーン氏は、この流動性が2020年の間消滅することはなく、低金利が続くと読んでいる。
だから、足元の危険ではないと考えている。
しかし、それはリスクがないと考えているのではない。

しかし、いつか金利が上昇うることを心配するのは正しい。
それにより債券・株式の両市場で厳しい時代になるだろう。

来年の「10のサプライズ」の前に少しだけ投資推奨をリークしてくれとせがまれ、ウィーン氏は引き続きグロース株を推奨している。

「私は常にグロース株の投資家で、それを信じている。
来年S&P 500の利益が大きく上昇するとは考えていない。
多分5%ぐらいだろう。
もしそうなら、仮に15-25%の利益成長が見込め、合理的な倍率のグロース株があれば、魅力的になる。」


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