2020年に起こりうるとんでもない事態:ジェフリー・ガンドラック

新債券王ことDoubleLine Capitalのジェフリー・ガンドラック氏のYahoo Financeインタビューの第3弾。
初回 2回


「2020年の大統領選候補と見られる人たちは、特に左派で、極めて敵対的なスタンスが明らかに見て取れる。
未公開企業だろうが公開企業だろうが議員たちに話をさせれば、彼らの利益になるやり方は控えめに言っても明らかに当惑させられるものになっている。
だから、極限の状況では、株式市場にマイナスになるような自社株買いの禁止・制限の法律が通ってしまうかもしれない。」

ガンドラック氏がYahoo Financeインタビューで、米政治に広がる社会主義的主張について冷静に語っている。
そうした考えを持つ特に民主党の政治家が、株高を演出してきた自社株買いに制限を加える可能性があるという。
この現象をガンドラック氏は、政治家とは少し異なる角度から見ている。

「社債市場のレバレッジ・レシオが自社株買いと大きく関係しているのは明らかだ。
企業部門の経済は高いレバレッジがかかっている。」

かねてからガンドラック氏は、レバレッジのかかった米社債市場のリスクを警告してきた。
これを助長したのは長く続いた金融緩和によるゼロ/超低金利である。
低利で借金をして自社株買いを行えば、利益をさほど傷めることなく発行済み株式総数を減らせる。
結果、1株あたり利益が改善し、株価も上昇しやすい。
株主還元されたキャッシュが再び株に向かえば、市場の需給も改善する。
低金利が続くなら、なんとも都合のいい仕組みなのだ。

自社株買いに制限をかけることは、過度なレバレッジを防ぐ効用もあるかもしれない。
ただし、政治家が求めているのはそこではない。
富の格差拡大を防ぐ荒療治のための自社株買い規制だ。
株の保有者が株で儲けるのを悪と見る考えは、資本主義のものとは言えない。
長年アメリカ人が忌み嫌ってきた社会主義のものである。


「政治家が話すのは明らかに社会主義、民主社会主義だ。
聞こえがいいように、社会主義の前に民主をくっつけただけのものだ。
・・・社会主義とは2000年までに明らかになったとおり富を築くのにはいい方法ではない。」

ガンドラック氏は、社会主義はうまくいかないと言い切る。
かつてのソ連、最近のベネズエラを挙げ、歴史が実証しているという。
その上で資本主義と社会主義のせめぎあいを俯瞰する。

「これは私たちが直面する循環の一部なんだ。
テクノロジーは、社会が順応できないほど先を行ってしまった。
歴史における典型的な潮の満ち引きなんだ。」

ガンドラック氏は前回の大統領選において、誰よりも早くトランプ勝利を予想した。
まだ共和党候補にもなっていない時期から勝利の可能性を示唆した時には、失笑さえ買ったほどだ。
しかし、結果はガンドラック氏の予想どおりとなった。
そして、選挙後すぐ、次の選挙までに2大政党制が崩れる可能性もないわけではないと予想していた。
2年あまりが経ち、この予想がさらに具体性を帯びたようだ。

「第3の党からの候補者もありうる状況になった。
さらに選挙人投票に4人の候補が進んだり、少なくとも選挙でそこそこの投票を得る可能性もあると考えている。」

議院内閣制の日本では、この変化の大きさを理解することは難しい。
米大統領選のルールでは、選挙人投票の票が3人以上に分れた時、想像を超えた決まり方を採ることになるのだ。

「政治に関して最も心配なことは、これはベース・ケースではないが、次の選挙が議会によって決まる可能性があることだ。
誰も選挙人団の多数をとれなくなるためだ。
・・・下院が大統領を選び、上院が副大統領を選ぶ。」

ルール上、選挙人投票は1回のみとされている。
誰も過半数を獲得できない場合、憲法修正第12条に基づき、下院が大統領を、上院が副大統領を選出する。
下院が大統領を選んだのは1800年、1824年の2回、下院が副大統領を選んだのは1836年の1回だけだ。

上下両院の勢力図が変わらないと仮定すれば、民主党が大統領を、共和党が副大統領が選ぶことになる。
そういう体制の米政府を想像することは難しい。

「今の議会が機能不全になっており、怒りとけなし合いの場になっていると思うなら、議会が次の米大統領・副大統領を選べばどうなることか。
・・・
私たちはとても難しい政治状況にある。
しかも、すぐには改善しないだろう。」


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