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2018年第4四半期に似た感じがする:ジェフリー・ガンドラック

ダブルライン・キャピタルのジェフリー・ガンドラック氏が、米財政拡大への懸念を示し、再びFRBの金融政策正常化が頓挫する可能性を指摘している。


最近の政府の数学的無知:
3.5兆ドルの財政支出策(ほぼ間違いなく過少に見積もられている)のコストは『ゼロ ドル』だ。

ガンドラック氏が28日ツイートした。
少々厳しすぎるだろうが、そう言いたい気持ちは想像できる。

債券投資とは減点法を主たるプロセスとする仕事だ。
ボーナス点や夢ばかり見ている株式投資のような能天気さはない。
だから、債券投資家には現実主義者が多いし、物事を堅めに見る人が多い。
発行体が放漫な運営に走れば、人一倍感度良く反応し、怒りを覚える人もいるだろう。
政治信条からの思いもあるだろうし、投資の観点からの思いもあるだろう。

巨額の財政支出は本当に必要なのか。
それは支出の目的にもよろう。
家計・企業への支援なのか、経済刺激策なのか。
(もちろん、多くの支出はその両方の性質を共有することも多い。)

家計・企業への支援ならば、つまり給付金のようなものならば、これはお金の所有権が変わる話であり、見返りをあてにしたものではない。
助けるべき家計・企業がある限り、見返りがなくとも助けるのが国家の役目だろう。
経済刺激策、とりわけ物的・人的投資であれば、その投資のリターンにより当初の支出が賄われることを目指すべきだ。
採算の合う投資が選択される限りコストは発生しないが、これは至難の業である。
そもそも採算の合う投資などすでに民や官民共同のプロジェクトでやりつくされているのがほとんどだ。
さらに、政府予算の周りには無数のシロアリが群がっており、採算を悪化させようとする。

仮に財政支出の中身を精査し必要なものだけに厳選したとしよう。
(これ自体がかなり難しい話だろうが。)
コストがあろうが、必要な支出は必要だ。
問題はその先である。
必要な財政支出にも、ほとんどの場合、コストが存在する。
そこをごまかすべきでない。
そう思う人も少なくないのだろう。

米財務省発表の米10年債利回りはFOMCのあった22日こそ1.32%とほとんど動かなかったが、その後じりじり上昇し、28日には1.54%まで上昇している。
30年債は22日が1.84%だったのが、28日は2.07%まで上昇している。
もちろんFRBがテーパリングに前向きなことも効いていようが、債務上限問題など財政面も無関係ではないだろう。
これもあって28日の米国株市場は大きく下げ、特にグロース株の多いNASDAQは2.83%の下げとなっている。

ガンドラック氏は、2018年のように市場が荒れてFRBが方向転換を迫られる展開を予想している。

FRBは一週間もしない前に『テーパリング』によって2022年半ばまでにQE(ネット買入れ額)がゼロまで下がると示唆したばかり。
リスク資産は妥当な理由によりこれを好まないだろう。
2018年の第4四半期と似ているような気がする。
FRBはすぐには引き返せないから、それを正当化するにはもっと混乱が必要だろう。

もっとも、2018年の場合、すでに利上げもバランスシート縮小も開始され、長期金利が3%を超えようというところで株式市場が大きく下げている。
現時点とは少し状況が異なるようにも見えるのだが・・・


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