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2015年半ばの円高転換時に似てきた:佐々木融氏
2021年10月28日

JPモルガンの佐々木融氏が、FRBの利上げとの関係で今後のドル円相場を占っている。(浜町SCI)


円相場を取り巻く環境は、2015年12月からのFRBによる前回の利上げ開始半年前に似てきたように思える。

佐々木氏がReutersへの寄稿で書いている。

なぜ今テーパリングでなく利上げを議論するのか。
これは実は自然なことだ。
以前、金融政策正常化サイクルを検証した際、テーパリングと為替レートの間には明確な関係は見られなかった。
もちろんテーパリングには利上げやバランスシートの露払いとしての意味はあるが、ストック・ビューを支持する人たちの主張のとおり、それ自体が大きく市場を動かすもののようには見えない。

なぜ「利上げ開始半年前に似てきた」と言うのか。
これも自然なことだ。
以前、FRB利上げの市場による織り込み度合いを検証したが、市場は利上げが来年半ばにも実施されると織り込んでいる。
27日15時現在のCME FedWatchによれば、来年6月のFOMCまでの利上げ確率は60%を超えている。
これはFRBによるほのめかしに比べればかなり前倒しだが、仮に市場の予想が当たるなら、利上げまであと7か月ということになる。
「利上げ開始半年前」はもうすぐなのだ。

佐々木氏は今回、前回の利上げ開始時(2015年12月)の半年前に注目している。
つまり、2015年6月だ。

ドル円(青、左、逆目盛)と円の実質実効為替レート(赤、右)
ドル円(青、左、逆目盛)と円の実質実効為替レート(赤、右)

2015年6月とは、ドル円・円の実質実効為替レートともに前回の円の底を形成した時期だ。
ドル円が125円台となり、黒田日銀総裁が円安にブレーキを踏むような発言をしたのを憶えている読者も多いだろう。
そこで円相場はいったん大きく揺り戻している。

現在は、ドル円こそ114円前後と当時よりだいぶ円高に見えているが、実質実効為替レートで見ると差はさほど大きくない。
資源高もあって、世間で円は安すぎるのではないかとの声が聞かれるようになっており、確かに2015年と似たところがある。

佐々木氏は、この他にも様々な根拠を上げて予想を展開している。
簡潔に日本語で書かれており、原典を読むことをお勧めする。


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