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2008年以降の筋書きが再稼働した:ジェフリー・サックス
2020年8月12日

ジェフリー・サックス コロンビア大学教授が、米経済の現状に厳しい見方を示し、経済と市場の乖離の背景を解説している。


米国は間違いなくV字回復していない。
ウィルスを止められなかったからだ。

サックス教授がCNBCで、米経済について厳しい状況判断を語った。
米国内ではコロナ・ウィルスが制御できていないこと、明確な国家方針が欠けていること、ワクチンはすぐにはできないことから、この危機は極めて深刻な状況にあると話した。

株式市場は、無数の廃業していくレストラン・店舗を表すものではない。
零細・中小企業が倒産する一方で、株式市場は、Amazon、Apple、Microsoftなど大企業であり、よりオンライン対応ができた企業群を反映するものだ。
つまり、株式市場は経済全体のスナップショットではないんだ。

サックス教授は、経済状況が劣悪な中で株式市場があっという間にV字回復を遂げた背景を解説した。
1つの理由は、経済全体と株式市場の中身のズレであり、株式市場が回復したことは経済が回復しつつあることを必ずしも意味しない。

もちろん理由は「オンライン」対応だけではない。
教授は、FRBが供給した3兆ドルの流動性も大きな要因だと指摘した。

これは2008年以降の筋書きであり、それがまた稼働している。

2008年末から始まったQEは2009年からの長い長い強気相場を演出した。
それと似たことがまたコロナ・ウィルスへの対処のための金融政策で見られている。

一方、雇用は持ち直しつつあるとはいえ回復というにはほど遠い。
サックス教授は、数百万の雇用が永遠に失われると予想する。
感染対策のためだけでなく、効率向上のために減員・テレワークが根付くと見られるためだ。
皮肉なことに、雇用の回復が遅れるほど政府・中央銀行の救済策・刺激策は長引き、それが強者を反映する株式市場を利する一面がある。

サックス教授は、じきに「過去数か月で信じられないほど格差が拡大した」ことが明らかになるとし、米社会はそれに対処しなければならなくなると予想する。

永遠に続くFRBからウォール街への安い信用の供給が格差を増幅する。
零細企業からオンライン企業への格差拡大ゆえに、私たちは、どうやって全員が医療や教育を受けることができるようになるかを問わなければならない。・・・
この信じられないほど裕福な社会で、たくさんの、何千万の、最終的には数百万の人々が絶望的な暮らしをするのはばかげたことなんだ。


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