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2005年のグリーンスパン:スタンリー・ドラッケンミラー

スタンリー・ドラッケンミラー氏が、現在の金融市場を取り巻く状況を「巨大な荒れ狂う熱狂」と表現し、今後困難な時代が訪れると予想している。


コロナ・ショックの間にFRBと財務省の融合が事実上起こり、FRBが独立性を得て以降なかった先例を作った。
それが明らかに巨大な荒れ狂う熱狂を金融資産に生み出した。・・・
それは実体経済に波及することはなかった。

ドラッケンミラー氏がCNBCで、FRBのコロナ・ショックへの対応が金融市場を不安定にしていると指摘した。
同氏はパウエルFRB議長について、3月までは「素晴らしい仕事」をしたと高く評価した。
一方、それ以降は「やりすぎた」と批判している。

ドラッケンミラー氏が転換点と指摘する4月には何があったろうか。
言うまでもなくFRBによる追加資金供給策が発表されたことを指している。
企業に対して仲立ちを介して貸出を行う、フォールン・エンジェルを買い入れるなどが発表された。
これらはFRBが自ら信用リスクを取るという大きな決断の下に行われるものだ。

こうしたFRBの手段を選ばぬ市場救済策について、ドラッケンミラー氏は当時から疑問視していた。
市場が急回復し5月を迎えても、投資においてFRBプットを前提にすべきでないと警告していた。
しかし、その後も市場回復は続き、6月にはついに同氏もFRBプットの継続、強気相場転換を認めざるを得なかった。
ドラッケンミラー氏は、当時の環境が投資家にとってとても魅力的な環境と話している。
魅力的と言いながら、同時に「バイナリー」とも言っていた。

パウエル議長を称えるすべての人達には、2005年のマエストロ(グリーンスパン議長のこと)とその結果を思い出してほしい。
みんなパーティが好きだ。・・・
でも、大きなパーティの後は二日酔いが避けられない。
現在、私たちは完全な荒れ狂う熱狂の中にいる。

ドラッケンミラー氏は、現在の状況を暗にサブプライム/リーマン危機を引き起こした米住宅バブルの頃になぞらえている。
市場がバブルだから、どんな市場水準だろうがさらに上がってもおかしくないし、下がってもおかしくない。
同氏は「市場が短期的にどこに向かうのか、私にはわからない」と話す。
短期的にはわからないと言うあたり、長期的な行先は心当たりがあるのだろう。
ドラッケンミラー氏は、ファンダメンタルズから乖離した相場への警戒を解くべきでないと警告している。

皆さんに思い出してほしいのは、バリュエーションによる下支えがないこと。
10%落ちたのがその証拠だ。
FRBがやっていることによって、株価はバリュエーションの指す領域を大きく外れていたが、関係なかった。
しかし、今後3-5年はとても困難な時代になるだろう。

ドラッケンミラー氏は、今後数年のうちにインフレ率が10%に達する可能性があるとし、インフレ昂進を心配した。


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