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2000年バブルとは全然違う:ジェレミー・シーゲル
2020年9月2日

ウォートンの魔術師ジェレミー・シーゲル教授が、米市場上昇予想を継続する一方で、外国市場へも目を向けるよう説いている。


パウエルFRB議長が、私が起こりつつあると言ってきたことの白黒をつけてくれた。
FRBは、インフレが2%目標を超えても抑制しない。
FRBはフィリップス曲線による基準を明言してきたが・・・それが全く役に立たないことを認め、基本的に撤廃した。

シーゲル教授がウィズダムツリーのポットキャストで、先月27日ジャクソンホールでのパウエル議長による政策変更の表明についてコメントした。
FRBが《物価水準目標》等を採用しインフレ上振れを許容するとの可能性は多くの人が予想していた。
しかし、コロナ・ショック下でそれと株式市場の急回復を結び付けて予想した人はそういなかった。
現状は、シーゲル教授が予想したシナリオどおり、またはそれ以上の状況が進行している。

シーゲル教授は、FRBが政治的圧力を受け、予想し望む以上にインフレ上昇を容認することになると予想する。
過去10年のPCEデフレーターの平均が1.6%であったと指摘し、仮にこれを取り戻すには、累積で(0.4% × 10年)=4%の上振れを容認することになると説明。
さらに多く容認が続くと予想する。

この目の子計算は聞く人に現実感を与えるものだ。
仮にこれを4年で取り戻すなら、インフレ率3%を4年許容することになる。
3%インフレの中でゼロ金利政策が本当に続くのか?
失業率が高く賃金が上がりにくい状況の中で3%インフレを許容するのか?
それでも政治的圧力は失業率を優先し続ける方向になるのか?
何もインフレ上昇は決まった未来ではないが、もしも実現するならずいぶんと違った風景になるのではないか。

シーゲル教授は従来から3-5%のインフレの到来を予想してきた。

これは株式市場にはすばらしいことだ。
言ってきたとおり、さらなる流動性、極端でなく穏やかなインフレだ。・・・
全く弱い兆しは見えず、全く脆弱な兆しもない。
明らかにいつか下落の引き金を引く出来事が起こるが、まだそうした状況ではない。

シーゲル教授は、現状が1999-2000年のインターネット・バブルと似ているとする見方に対し従前どおり反対意見を述べている。
株価バリュエーションも金利環境もあまりにもかけ離れているためだ。

インターネット・バブル 現状
PER 80-90倍(S&P 500テクノロジー) 予想の30倍(S&P 500)
国債利回り 5-7% 0%
物価連動債利回り 4%超 -1%未満

インターネット・バブルとは全く異なるとしつつも、リスクや不確実性の中で上昇を続ける市場に対し、さすがの《永遠のブル》も言葉を選びながら慎重なトーンを出し始めている。
米市場の上昇が継続すると予想しつつもリスクが増えている点も認めているのだ。
このため、資産の一部を米国以外に向けるよう奨めている。

流動性ならびに今後見込まれる流動性がバリュエーションとそれにともなう異常な低金利に影響している。
言ってきたように、外国に目を向けるのはまだ遅くない。
特に、ドルは弱含みで、外国のバリュエーションの方がはるかに低い。・・・
米市場を避けてはいけないが、外国市場がまだとても良い。

シーゲル教授は、インデックス投資についてもコメントしている。
インデックス投資が「最も効率的な方法」というわけではなく、取引コストを低減する手法であると指摘。
教授は以前から、インデックス投資にはマーケット・タイミングの性質があり注意が必要と話している。


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