海外経済 投資

2000年と同じ意見だ:ジェレミー・シーゲル
2020年1月9日

ウォートンの魔術師ことジェレミー・シーゲル教授が、力強い上昇を続ける米国株市場についてリスクを検証した。


「(FRBが現状の政策に)満足していることは、それが不変であることを意味するわけではない。
今見ているすべてのことを前提とすると、金利水準を変えるべき強い理由がないということだ。」

シーゲル教授がBarron’sで、FRBの金融政策についてコメントした。
昨年秋まで一貫して金融緩和を主張してきたシーゲル教授だが、現状の金融環境には満足しているようだ。
現状より経済が下振れれば利下げもありうるし、インフレが上振れれば利上げもありうると話している。

《永遠のブル》は、ほとんどのリスクにも楽観的に応えている。

  • イールド・カーブの長短逆転
    「ここではすべて挙げないが(金利の)期間構造が、第2次大戦後のほとんどの時期よりフラットになる理由が多く存在する。
    昨年10月のイールド・カーブの長短逆転は心配なものではあったが壊滅的なものではなかった。
    数週間後には正常な順イールドの形状に戻ったことから、景気後退リスクは取り除かれたと思う。」
  • シーゲル教授は現時点で「差し迫った景気後退リスク」・「2020年に景気後退入りするような過剰」は見られないと話した。

  • 米中摩擦
    12月の株価上昇は一時休戦によるところが大きく、大きな脅威は去った。
  • イラン危機
    米国は原油を自給可能であり、インパクトははるかに小さくなった。
    「私の感じでは、原油市場による深刻なインパクトの確率はとても低いと思う。
    自国での原油生産に加え、イランからの原油供給の減少分をサウジアラビアが埋めてくれるためだ。」
  • 株価水準
    「現在の市場は目いっぱいの値付けがされており、割安ではないが、割高でもない。
    企業収益を適切に反映している。」

いつものとおり総じて楽観的な語り口になっている。
強気か弱気かというのは、大いに表現の仕方によるものなのだと思う。
同じ認識でも強気派は楽観的に話すし、弱気派は悲観的に話すもの。
それは、シーゲル教授の一言に表れている。

私の意見は2000年の意見と同じだ。

シーゲル教授は、米株価をフェア・バリューと話した直後に、2000年と同じ意見だと口にした。
2000年とは、言うまでもなく、ドットコム・バブルが崩壊した年だ。

2019年に私は、今年の株価上昇を0-10%と予想した。
1つの危険は、人々がリスクのことを忘れ去り、それが(市場の)急騰になることだ。
『メルト・アップ』と呼ぶこともある。

リスクはない、リスクは小さいと言った本人が、人々がリスクを忘れ去ることを心配している。
なんとも皮肉ではないか。
シーゲル教授は《最後のひと上げ》を意識しながらも、それをリスクとは決して言わない。

今がその領域、近いところに来ているとは思わない。
しかし、市場はファンダメンタルズを離れて心理で動くことがある。
今は良好なファンダメンタルズを反映したものと考えているが、年を通して価格形成を注視すべきだ。


-海外経済, 投資
-, ,

執筆:

記事またはコラムは、筆者の個人的見解に基づくものです。記事またはコラムに書かれた情報は、商用目的ではありません。記事またはコラムは投資勧誘を行うためのものではなく、投資の意思決定のために使うのには適しません。記事またはコラムは参考情報を提供することを目的としており、財務・税務・法務等のアドバイスを行うものではありません。浜町SCIは一定の信頼性を維持するための合理的な範囲で努力していますが、完全なものではありません。 本文中に《》で囲んだ部分がありますが、これは引用ではなく強調のためのものです。 その他利用規約をご覧ください。