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ハワード・マークス 2つの角度から1970年代に言及:ハワード・マークス
2020年10月16日

オークツリー・キャピタルのハワード・マークス氏のMemo「Coming into Focus」第2弾: 異なる2つの角度から1970年代と現在を比較している。


今日の主要テック企業は1960年代終わりのニフティ・フィフティより強力だとの議論がなされている。・・・
もちろん、多くのニフティ・フィフティは考えられていたほどには強力ではなかった。

マークス氏が13日付の「Memo」で、FAANG等とニフティ・フィフティの比較について言及した。
同氏はこの「Memo」の中で2回、現在を1970年代と比べている。
異なる角度の話だが、おそらく関連しているのだろう。
1970年代は苦労の多かった10年間であった。
インフレ・金利が上昇し、「株式の死」といわれた時代だ。

マークス氏は、1960年代終わりにニフティ・フィフティと呼ばれたピカピカの企業群を回想する。
Xerox、IBM、Kodak、Polaroid、AIG、・・・
あるものは財務的困難に陥り、あるものは実際に破綻した。
日本流にいえば、栄枯盛衰、諸行無常の感がある。

今日のテクノロジー・セクターのリーダーははるかに強力で強固のように見える。・・・
しかし、50年前ニフティ・フィフティも不滅のように見えていたのであり、単純に人々が間違っていたのだ。

マークス氏は、1968年にニフティ・フィフティに投資し5年持ち続けていたら、その投資家はほぼすべてを失っていたと解説する。
市場は1970年代初めに半値に下げ、さらに重要なことは、ニフティ・フィフティはもっと下げたのだという。
ピカピカだったはずのニフティ・フィフティが(しかも、概ね本格的に凋落する前だったのに)アンダーパフォームした理由を、マークス氏は分析する。

投資家が十分に価格に注意を払わなかったためだ。
実際、銀行の意見では・・・ニフティ・フィフティは『株価が高すぎることはない』優良企業とされていた。
その言葉こそ、私の意見では、バブルの本質的要素であり特徴だ。
ある程度、私たちはそれを今、目の当たりにしている。

あまりにも遠い将来予想図をもとに株価がついている。
ここにマークス氏は既視感を感じているようだ。

マークス氏はこの「Memo」中もう一か所1970年代に振れている。
それは、インフレをどう見るかについて語った部分だ。
同氏は、今回の米政府による迅速なコロナ対応について高く評価しつつも、課題も多いと指摘している。
もっとも大きく紙面を割いているのは追加対策の必要性、社会問題への波及だが、市場・経済に関する課題も4点挙げている。

  • ゼロ金利政策は将来の余地を小さくした。
  • 救済がモラルハザードを生み、投資家の無謀なリスクテークを助長しかねない。
  • インフレとドル安の懸念。
  • 低成長(低金利・低インフレ・低成長の悪しきサイクル)の懸念。

マークス氏は、市場で議論があるように、経済にデフレ的要因、インフレ的要因が存在することを認めている。
しかし、そこをテーマにして投資を行うつもりはないようだ。

私の答は、インフレ、スタグフレーション、停滞、ディスインフレ、デフレのいずれになるかはわからず、オークツリーはいずれにも賭けないということだ。
私たちの投資哲学の1つの柱は、マクロ予想によって投資判断を下さないというものだ。・・・
ほとんどの投資家、間違いなく私たち、はマクロについて卓越した判断能力を持つわけではない。


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