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1930-45年、1970-80年の教訓:レイ・ダリオ
2021年3月17日

レイ・ダリオ氏のSNS投稿 第3弾: 今後の先進各国の経済政策の行方を予想している。


ダリオ氏はこの投稿の中で、日米欧の債券・現金・通貨が危険な状況に置かれているとの認識を示した(第2弾)。
さらに、中央銀行が、金利上昇を容認するか、資産買入れを拡大するかの二者択一を迫られると書いた。
もちろん、ダリオ氏が予想するのは後者だし、これまでの現実もそうだった。
この選択が有効なうちの投資戦略はどのようなものになりうるのか。

経済の脈が下がると、医者が駆け付け、大きな刺激策の注射を注入する。
彼らが患者に駆け付け巨大な刺激策の注射を打つのを見たら、株式・物価連動債・金などのリフレ資産を買うべきだ。
刺激策への反応は、それが経済に行き渡り患者が走り出す前に、まず資産を押し上げるものだからだ。

まさに、私たちが2020年から目の当たりにしてきた光景だ。
社会・経済がパンデミックによる塗炭の苦しみに耐えている中、市場はさっさと回復してしまった。
金融・財政政策により、実体経済よりはるか先に金融経済は回復し、市場は高値を追っている。
投資で成功するためには、金融市場の先行性を意識しなければいけない。

一方、投資の勝ち負けでなく、政策に目を向けると、もちろん良いことばかりではない。

「何十年もこうした刺激策をやり続けることの問題点は、拡大する大きな債務・資産の形で不健全な残存効果を残すことだ。
残高が増えるほどリスクも増える。
通常50-100年かけて危険な高水準まで積み上がると、問題を生じる。
この大きな債務サイクルでは、債務が所得より早く拡大する。
これが『上げ波』だ。」

上げ波のうちは恩恵が得られるものの、同時に「残存効果」も高まっていく。
いつか、上げ波が持続可能でなくなる時が来る。

ダリオ氏はいつか「逆の波」が起こるとし、いったん起これば止められないと書いている。
逆の波はなぜ起こるのか。

「結局、金融資産を保有する目的とは、それを財やサービスの購入に充てられるようにすることにある。
問題は、現在のバリュエーションでは、あまりにも多くのお金が金融資産の方に存在するため、債券のお金の大きな割合が現金に換えられ財やサービスに交換されうるとの現実的期待を抱けないことにある。
大きな金額がそうしたシフトを起こそうとすれば、『取り付け騒ぎ』のような力学が起こってしまうだろう。」

財やサービス(実体経済側)に比べて、債務(金融経済側)の規模がどんどん大きくなった。
両者のバランスが大きく崩れている。
債務が多すぎる。
しかも金利が低すぎる(=価格が高すぎる)。
債務を回収しようとする人が増えれば、売りが売りを呼ぶことにもなりかねない。
だから、何とかして逆の波が起こるのを阻止しようとする。

ダリオ氏は、過去に起こったことがこれから繰り返す、あるいは、繰り返さなければならないと説く。

1930-45年、1970-80年に行われたような政策を行わなければならない(歴史を通して数百もの似た時期が存在する)。
莫大なお金を増発し、価値を下げ、大量の債務と政府財政を、通常は大規模増税を含めて、リストラしなければいけない。


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