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1月効果は下げすぎのハイベータ株:JPモルガン
2021年12月28日

JPモルガンのドゥブラフコ・ラコスブハス氏らは、ハイ・ベータ株が極端に売られているとし、「1月効果」のよい狙いどころだと書いている。


市場はタカ派的な中央銀行と弱気なオミクロンに関するナラティブに反応しすぎてしまった。

ラコスブハス氏らのレポートの内容をMorningstarが伝えている。
金融引き締め観測、オミクロン変異種、年末越えなどの材料が、市場との相関の高いハイ・ベータ株(バリューもグロースも)への弱気につながっているとの指摘だ。
ハイ・ベータから逃げ出した資金は逃避先として超大型株に向かっているという。

このマネーフローの文脈は、最近市場でますます強く意識されている。
もしも株価下落を予想するなら、従来なら国債を買うというのが主流だったろう。
実際、現在も国債は買われている。
しかし、すでに相当に買われており、利回りも(実質利回りが大きくマイナスになるほど)低く、金利上昇リスクが恐ろしい水準だ。
そこで、足腰が強く比較的ボラティリティも低い超大型優良銘柄を債券の代わりに買っている。
本当かどうかわからないが、そういう話になっている。

これは、ドル相場にも大きな影響を及ぼしている。
基本的に双子の赤字が続き、このところの財政出動で輸入が増えた米国では、双子の赤字のつじつまを合わせなければならない。
財政赤字はFRBが債券を買えば暫時つじつまが合うが、経常赤字は外国マネーに依存せざるをえない。
しかし、外国投資家も金利上昇やドル下落のリスクを感じているから、いつまでも米国債を買い続けたくはない。
かわりに超大型優良株を買っているとの分析がなされている。
それがドル下落を防いでいるという文脈だ。
本当かどうかわからないが、そういう話になっており、それなりに説得力がある。

JPモルガンのレポートでは(年末越えのリスクオフ心理もあり)ハイ・ベータ銘柄から超大型優良銘柄への退避が起こっていると解説されている。

この株価変動がサイクル終期の力学、あるいは少なくともサイクル中期の10-20%の市場調整の前触れとする主張が見られる。
すでに低い投資家のポジション、記録的な自社株買い、システミック・リスクを増幅するものが限定的なこと、有利な1月の季節要因を考えると、私たちは現在大きな下落を引き起こす条件は存在しないと考えている。

JPモルガンは、FRBが出遅れているとは考えておらず、オミクロンもさほど深刻だとは見ていないようだ。
結果、年末を越え、市場が状況を理解するようになればじきに「極端な株価変動」が巻き戻すと予想する。
同社は、ヘッジファンドの資産売却も一時的要因と指摘している。
注目セクターは以下のとおり:

  • バリュー/シクリカル: 旅行、レジャー、ホスピタリティ、エクスペリエンス
  • 趨勢的グロース: 決済、Eコマース、ゲーム、サイバーセキュリティ、バイオ

前例から見る限り、利上げが始まってもいないのにサイクルが下向きになると予想するのは難しい。
金融引き締めは経済拡大の結果であり、利上げが開始して少なくともしばらくは株価は上昇する傾向がある。
だから、その局面ではハイ・ベータが有利になる。
JPモルガンはそのことを言いたいのだろう。
一方で《今回は違う》というのは難しいが、今回のサイクルには多くの特異な性質がある。
下向きになるのがいつもより前倒しになる可能性がないとはいいきれない、市場はそう感じているのではないか。

JPモルガンのスタンスは明確だ。
まだサイクルは上向きであり、そこではハイ・ベータで戦うべきというものだ。

極端なポジションや市場心理を考えると、今回、来る『1月効果』はより大きくなると予想している。
もしかしたら、ハイ・ベータ株に大きなスクイーズが起こるかもしれない。
そのための資金は、再び退避場所として記録的なプレミアムが支払われている、人気の低ボラティリティ株から来ることになるだろう。


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