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1つの世界秩序が終わりそうな時に起こるコト:レイ・ダリオ
2020年10月30日

ブリッジウォーター・アソシエイツのレイ・ダリオ氏が、歴史の大局からみた現在の政治・経済について解説し、先例を学ぶよう奨めている。


1945年、戦後の世界秩序が始まった。
どう世界を分割するかが決められ、ドルを世界の準備通貨とすること等が決められた。
多くの戦いがあり、米国は優越する力を確立し、平和と繁栄の時代を享受した。

ダリオ氏がYahoo Financeで、直近の大きなサイクル、米国が覇権国家として君臨するサイクルの始まりを語った。
このサイクルを規定した世界秩序が今挑戦を受けている。

覇権国家がその地位から転落することになる一因は、その繁栄にある。
覇権国家であるがゆえに享受できる法外な特権ゆえだ。
繁栄するがゆえに、人々は繁栄や特権を外挿して考えてしまう。

これが債務拡大につながり、悪い時代の恐怖は消えた。・・・
準備通貨を発行しているから、世界が貯蓄のためにその準備通貨を欲しがり、国はどんどん債務漬けになった。

米国が対応すべきドル需要とは、国内需要だけではない。
No.1準備通貨であるがゆえに、国外からの需要も大きい。
つまり、国内経済の成長を大きく超える貨幣需要がある。
これに応えるということは、莫大なシニョレージを得ることだ。
どんなに貿易赤字があっても、貨幣を発行して支払えばよいことになる。
同様に米資産もまた国外から大きな需要を得ている。

債務は増えバブルも起こっているが、一方で繁栄もしている。
バブルは本当に面白く、本当に楽しく、すばらしい。
しかし、それにも限界の時がくる。
この限界は、中央銀行が容易にお金や信用を生み出せなくなったときに明らかになる。

ダリオ氏は、金融政策を3つのバージョンに分け、コメントしている。

  1. 利下げ: ゼロ金利になると限界に。
  2. 資産買い入れ(量的緩和): 資産を保有する金持ちに有利に働き、格差問題が深刻化する。
  3. 協調的財政・金融政策: 事実上の貨幣増発。
    金融政策がお金を配る相手をうまく限定できない欠点があるのに対し、財政を使うことでやや限定しやすくなる。

ダリオ氏は歴史を遡って調査した結果、この3段階の進展は不可避だという。

増税をすれば経済からお金を奪ってしまうので問題だ。
歳出を削減すれば、それも問題だ。
文字通り数千年遡っても、中央銀行またはお金を制御する機関は、常に貨幣を増発してきた。

ダリオ氏は、3つ目のタイプの金融政策が往々にして新興勢力の台頭と同時に起こると言い添えている。
こうしたサイクルは歴史を通して何度も繰り返してきたことであるのに、多くの人が気づいていないという。
ダリオ氏の人生の中でもすでに数回起こっているとし、人々はその時何が起こったかを学ぶべきと示唆した。

(私の人生で)最初にそれが起こったのは1971年だ。
私はニューヨーク証取で場立ちをしていたが、リチャード・ニクソンがカメラの前で(ドルの)金への兌換を停止し、ドルの価値を低下させた。・・・
株式市場は数十年で最大となる4%も上昇した。・・・
私はルーズベルトが1933年3月5日に全く同じことをやったのを知った。

ダリオ氏は以前、ニクソン・ショック後にも少なくとも3度似たような出来事があったと語っている。


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