投資

世界の至るところに終わりが来る:ジム・ロジャーズ
2020年8月13日

ジム・ロジャーズ氏が、熱を込めて貴金属への投資を奨め、調整は買いのチャンスと話している。


私は金・銀を保有し、さらに下がれば買い増すつもりだ。
10-15%の調整はどんな強気相場でも通常のこと。・・・
人々は恐れるが、それは買いのチャンスも与えてくれる。

ロジャーズ氏がインドETで、貴金属に対する強気のスタンスを継続した。
金は11日、2,040ドル前後から1,900ドルを切るところまで急落し、その後少し持ち直して1,940前後を行き来している。
同氏は、昨年から始まった金・銀の強気相場が長く続くと予想し、その理由を述べている。

世界のたくさんの場所で終わりがやってくるんだ。
知っているとおり、米国は債務を莫大に増やし、多くの国で大量のお金が刷られている。
これは常に紙幣や政府の信認失墜につながる。

通貨の価値が疑問に晒されると、必ず貴金属のような実物資産で身を守ろうとする動きが活発になる。
今回もそれが起こっているという。

金と銀の両方で買いのチャンスを待っているとしつつ、ロジャーズ氏は両者の比較では銀の方が魅力的と話した。
過去の価格を見ると、金はすでに史上最高値に近く、銀の方が高値まで幅があるからだ。

過去、金・銀の上昇について(タイミングはともあれ)正しく予想したロジャーズ氏だが、足元で逆を行っている予想もある。
それがドル高予想だ。
同氏は、ドルを瑕疵のある通貨と考えつつも、一般から安全資産と見なされているために、危機時には買われると見て保有を続けている。
一見、貴金属の上昇と相反する印象もあるが、ロジャーズ氏の考えは揺らいでいない。
同氏は理由を2つ挙げた:

  • ドルと同様、他の通貨の瑕疵も日に日に大きくなっている。
  • このところのドル安は、以前進んだドル高に対する調整と考えている。

ロジャーズ氏は、米大手テクノロジー銘柄について意見を求められ、ブレない逆張り投資家のスタンスを語っている。

動いている株を買うのがとてもうまい人、AppleやAmazonを買うのがとてもうまい人がいる。
私はそうじゃないが、もしもあなたがそうなら、たぶん大儲けできるだろう。
でも、私は銀のように無視され安いものを買うのが好きなんだ。

注目すべきは、FAANGなどについてのスタンスだろう。
数年前までのロジャーズ氏の危機予想はどちらかといえば単純な市場急落予想だった。
それが近年変化している。
サイクル終期にリスク資産が最後にひと上げする可能性も含め始めたのだ。
今回の大手テクノロジー銘柄に対する必ずしも弱気といえない語り口は、そのニュアンスなのかもしれない。

ロジャーズ氏に予想を修正させたのは言うまでもなく拡張的な財政・金融政策だ。
コロナ・ショック前もそうだったし、コロナ・ショックでさらにその要因は強くなったのだろう。

ロジャーズ氏は、現在の株式市場の強さの理由を解説する。

私に数兆ドルくれるなら、とても良い時代にしてあげる。
それこそ米金融市場で起こっていることだ。
支出され、調達され、印刷されたすべてのお金が・・・多くは金融市場、一部は実体経済に向かっている。

足元では経済を救い、市場を押し上げた政策対応。
しかし、政策にはコストがあり、各国は大きく債務を増やすこととなった。

ロジャーズ氏は、この債務拡大を「私たちが最も心配すべきこと」、「長期的に最悪」と評している。
とりわけ若者から中年は、この莫大な債務の負担を負うことになると心配する。

ロジャーズ氏は決まった未来を予想するわけではない。
しかし、通貨の価値が低下するリスクがあるなら、それに備えるべきと説いている。
「世界のたくさんの場所で終わりがやってくる」などとメディアへのリップサービスを忘れない同氏だが、真意は至って常識的だ。

みんな貴金属を他でもなく保険として保有すべきだ。・・・
不要であることを望むとしても、必要になるかもしれない。
そして、大儲けできるかもしれない。


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