グッゲンハイム・パートナーズのスコット・マイナード氏が、新型コロナウィルスの市場への影響を予想している。
1週間半ほど前、現時点までに事態が安定していたら5-10%の下落ですむだろうと言った。
それ以来、事態は明らかに悪化している。
だから(株式市場が)売られ始めたんだ。
高値から20%ぐらいは下げるのではないか。
今はまだ5%だから、短期的にもっと大きな下方リスクがある。
マイナード氏が24日の引け後CNNで話している。
S&P 500指数の日中高値は19日の3,393.52。
24日終値は3,225.89(19日高値から-4.9%)。
25日終値は3,128.21(同-7.8%)
仮に19日高値から20%下げるとすると、2,714程度まで下げることになる。
いつもながら悲観的だ。
マイナード氏は、ウィルスの拡散が防ぎきれず、さらに事態が悪化する可能性が高いと見ているようだ。
「WHOやCDCは事態の悪さを目立たせたくないのだろう。
現実には、私たちはパンデミックに対処する用意ができていない。
まだパンデミックになっていないのであっても、そこにかなり近づいているのだと思う。
おそらく現時点で最善の策は、政策立案者が、事態が悪化した場合になすべきことを用意する間、信頼感を支えておくことだろう。」
マイナード氏は、米経済・世界経済が直面する不確実性・リスクが数多く存在すると考えている。
コロナウィルスはその1つにすぎず、通商問題もリスクが解消したわけではない。
それなのに、金融市場はそれに適切に反応していないと指摘する。
「世界に不確実性やコロナウィルスのような外生的イベントの可能性がある中で、株式は史上最高値圏だ。
市場の株価はいくつかの尺度で2000年のインターネット・バブルの頃と同レベル。
社債やハイイールド債の米国債に対するスプレッドまたは上乗せ金利は史上最低水準にある。」
この奇妙な現象の多くは各国中央銀行の金融政策の産物だとマイナード氏は指摘する。
マイナード氏は以前この奇妙な現象を「とんでもなく愚かな季節に入った」と表現していた。
各国中央銀行は低金利を維持すると約束し、世界には17兆ドル近いマイナス利回りの債務が存在する。
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資産が膨張しており、何か他のショックがシステムに加われば、極めて脆弱になってしまうだろう。