高ボラティリティにうろたえるな:モハメド・エラリアン

独Allianz首席経済アドバイザー モハメド・エラリアン氏が、2019年の市場も高ボラティリティが続くと予想した。
昨年末23,327.46で引けたダウ平均が1,000ポイント上下してもうろたえてはいけないと話している。


「ウォール街ではボラティリティが上昇しており、ボラティリティが収まらないという意味で歴史上最悪の12月となった。
ワシントンの要因だけを見ていてはいけない。」

エラリアン氏がFox Newsで高止まりしているボラティリティの要因について解説した。
確かに政治はボラティリティ上昇の一因だが、それ以外にも大きく3つの原因が挙げられるという。

  • 世界経済の不確実性が増した。
  • 中央銀行が金利上昇を容認し量的緩和から手を引きだした。
  • ついに、米市場の挙動が変化した。
    「もはや常に《押し目買い》ではなく、常に《戻り売り》になった。」

エラリアン氏は多くの要因がボラティリティ上昇に寄与しているといい、さらにコンピューター売買が振幅を増幅しているという。

市場は荒れているが、米経済は堅調だとエラリアン氏は指摘する。
よほど大きな失政か市場のアクシデントがない限りは、米国の景気後退入りはまだまだ先だという。
ただし、景気後退入りは先でも安心はできない。
生産性向上に資するインフラ投資などの成長戦略が実行されなければ、経済成長は鈍化してしまうだろうという。


エラリアン氏は、2019年についても引き続き経済と市場のデカップリングを予想している。
経済は2.5-3.0%と堅調さを維持しても、市場は荒天が続く可能性が高いのだという。

「賃金が3%以上で伸び続ければ、米経済単独では良好だが、国外経済、流動性の状況のためにボラティリティは高止まりするだろう。
ダウ平均が1,000ポイント上下しても驚いてはいけない。
しばらくはこれが新たな現実であり、これは2017年が極めて良好な年だったことの反映だ。」

確かに2017年は市場にとって恵まれた年だった。
まだ金融政策が緩和的だった中で、大規模な法人減税が行われ、高リターン・低ボラティリティ・資産クラス間の有利な相関関係が実現していた。
今はその金融・財政政策のいずれの効果も低減するとの予感が市場に立ち込めている。
市場が経済の次の局面を先取りするのは世の常だ。
そして、次の局面とは、極端な政策の巻き戻し・反動にすぎない。
エラリアン氏は過度な悲観をすべきでないと諭す。

これは正常化なんだ。
短期的にはつらく感じるが、長期的にはいいことなんだ。


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