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非正統的で爆発的組み合わせ:チューダー・ジョーンズ
2019年11月15日

ヘッジ・ファンド業界のベテラン ポール・チューダー・ジョーンズ氏が、現在の米金融・財政政策をアップサイドだけしかない「爆発的な組み合わせ」と呼んでいる。


大きく3つ市場には上昇をドライブする要因がある。

チューダー・ジョーンズ氏がCNBCで、米市場上昇の背景を解説した。
同氏が指摘する3つの要因とは

  • 財政・金融政策の「非正統的で爆発的組み合わせ」
    完全雇用にある中、財政赤字が5%に上る財政刺激策が採られ、実質金利は史上最低水準にある。
    チューダー・ジョーンズ氏は、前回貿易戦争があった1930年と真逆の状況と指摘する。
    大恐慌とは状況が異なると示唆したものだろう。
    (この点はレイ・ダリオ氏の1937年説とは時点の取り方から異なる。)
  • 大統領選挙が経済政策を大きく左右
    「誰が次の大統領になるかによって、経済がどうなるか、特に金利と株式市場がどうなるか変わってくる。」
  • 貿易戦争
    「50年間のグローバル・経済・金融などなどのつながりが破壊されている。」
    大きな負のインパクトがあるはずだったが、市場金利の下落・FRBの利下げによって打ち消されたという。

そして、その3つの中で重みづけをしている。

しかし、一番理解すべき重要なことは、金融政策・財政政策が爆発的な組み合わせにあることだ。
・・・アップサイドだけだ。

現時点だけを見れば、金融・財政政策が最も大きな要因で、かつそれはアップサイドだけというのだ。
しかし、もちろん先々それを覆しうる要素もある。
大統領選であり、それに影響を及ぼしうる大統領の弾劾手続きだ。

チューダー・ジョーンズ氏は、民主党が弾劾を実現すれば、市場は間違いなく下落すると予想し、その理由を語った。

「そうなれば、増税が起こる可能性も高くなるからだ。
だから、市場はいくらか下落する。
必ずしも経済が収縮するとは思わないが、様子を見る必要がある。」

チューダー・ジョーンズは短期的に強気の見通しを持っているようだが、決して先行きを楽観しているわけではない。
同氏は拡大した財政赤字を問題視し、それが持続可能ではないと考えている。

例えば、最近のFOMCでメディアは、パウエル議長が『バブルは存在しない』と言った時に合格点を与えた。
多くの数字を見れば、バブルは存在しないと主張することができる。
でも、莫大な財政赤字があるんだ。
真剣な話、それこそがバブルなんだ。

チューダー・ジョーンズ氏の語りには、投資家としての思いだけでなく一市民としての思いがこもっているのが感じられる。
同氏は、金融緩和の側にバイアスのかかったFRBとそれを褒めたたえる金融メディアに対してきつい一言を浴びせている。

FRBを金融界のヨーダのようなものと考えるなら、失業率が50年来の低水準にある中、なんであなた方は毎回のFOMCに合格点を上げるんだ。
どうして、それが最初の質問にならないんだ。


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