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需要減少と物価上昇の悪しきサイクル:ブラックストーン

Blackstoneのジョー・ザイドル氏が、年内の米市場の見通しを解説している。
あわせてイールド・カーブ長短逆転とスタグフレーションについても言及している。


「米国とその主要輸入相手国2か国(中国とメキシコ)が貿易に関する態度を硬化させるにつれ、2019年の残りはボラティリティが増大することを、今のところ投資家は想定しておくべきだ。
この結果、4月の株の高値とクレジット・スプレッドの最小値は、通年でのリスク資産の最良のパフォーマンスとなるかもしれない。
たとえそうだとしても、現状の2.1%程度の米10年債利回りは循環的な底であり、今年起こる調整から株価が回復すると予想している。」

ザイドル氏が投資家向け書簡で2019年の残りの見通しを書いている。
年初、バイロン・ウィーン氏とザイドル氏は市場でも最も強気の予想を掲げてスタートした。
初めはあまり注目されていなかったが、米市場は時を同じくして急回復。
その強気の見方が今も続いているかが注目だったが、慎重ながらも続いているようだ。
いまだ金利は低く、米リスク資産からマネーが逃げるには至らないとの読みのようだ。

ザイドル氏は、市場が心配している一部の年限での米イールド・カーブの長短逆転についても解説している。

「歴史的にイールド・カーブの10年-2年部分は景気サイクルをよりよく予想する。
カーブのこの部分が逆転すると約18か月で景気後退となる。
10年-3か月部分が確度の高いシグナルになるためには、10営業日連続の逆転か、しばらくの間平均15 bp逆転かが必要となる。」


米10年-2年(青)、10年-3か月(赤)イールド・スプレッド
米10年-2年(青)、10年-3か月(赤)イールド・スプレッド

今のところ10年-2年スプレッドは逆転していない。
10年-3か月のところが10営業日を迎えたところだ。

しかし、ザイドル氏はあらためて今回の特殊性を強調する。

気を付けないといけない重要な点は、現在のカーブ逆転は、長期金利が短期金利を割り込んで起こったものだ。
通常は逆のことが起こる。
FRBが金融引き締めを行い、カーブの短期側が上昇する。

ザイドル氏は、長期金利低下の原因が投資家の景気後退への懸念にあるという。
しかし、FRBもハト派側へスタンスを移した。
貿易摩擦という懸念材料はあるものの、ザイドル氏は、経済成長を楽観しているという。

一方で、ザイドル氏はまだ市場が大きくは取り上げていないリスクに言及している。
スタグフレーションのリスクに留意すべきという。

インフレは今回の(景気)サイクル中なりを潜めてきた。・・・
しかし、さまざまな要因によりインフレがついに昂進し始めるかもしれない。
主な要因は、住宅コストのような国内インフレ圧力のほか、貿易摩擦がサプライ・チェーンを混乱させ米消費者の価格を上昇させることでの国外の圧力などだ。
もしも世界経済の成長が弱まれば、これが需要減少と物価上昇の悪しきサイクルを生み出すだろう。


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