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需要ショックによる高インフレが継続する:ブリッジウォーター
2021年11月5日

ブリッジウォーター・アソシエイツのグレッグ・ジェンセン氏らが、高インフレは市場が織り込むより長く持続すると予想している。


供給が混乱し高インフレが持続しているにもかかわらず、市場は、これがじきに収束し、インフレが中央銀行の目標に維持され、とても長い間金融緩和が続くと織り込んでいる。
私たちの意見は異なる。

ジェンセン氏らが自社ウェブサイトに書いている。

この意見表明をどう解釈すべきか。
ジェンセン氏らが反対しているのは、インフレが一過性という点か、長く金融緩和が続くという点か。
結論をいえば、前者に反対、後者に(とりあえず)賛成である。

ジェンセン氏らは、現在の高インフレの原因を、供給制約によるものというよりは、需要急増によるものと考えている。
これは先日、同社のレベッカ・パターソン氏も話していた。
ほぼすべてのものの供給はすでにパンデミック前を超え、史上最高水準にあるという。
ジェンセン氏らは、よく比較される1970年代との相違点を説明する。
1970年代は供給が崩壊し、需要が相対的に堅調だったが、現在は供給も拡大しているが需要がさらに大きく拡大しているという。

では、需要をそこまで拡大させたものは何だったか。
ジェンセン氏らは、それが「MP3」によるものと主張している。
MP3とはブリッジウォーターのレイ・ダリオ氏らがパンデミック前から予想していた金融政策の第3段階だ。
同社では、金融政策がMP1(利下げ)、MP2(量的緩和)、MP3(金融・財政政策の協調)とエスカレートしていくと予想していた。
リーマン危機後はM2だったが、当時は(共和党の反対もあり)大きな財政政策がともなわなかった。
信用収縮を打ち消すレベルにとどまったためにインフレにならなかったという。

MP3が需要を急拡大させたが、供給はそうそう拡大できるものではない。
時間もかかるし、投資も必要だ。
ジェンセン氏は、原材料・エネルギー・生産能力・在庫・輸送能力・住宅・労働力が不足しているとデータを示す。
これらについて政府・中央銀行がやれることはなくはないが、大きすぎる需給ギャップを埋めるには至らないという。
唯一、政府・中央銀行が手にしている特効薬も、世界の風潮を考えれば選択肢にはならないだろう。

高インフレの要因のいくつかは一過性のものだが、背景にある需給の不均衡は改善でなく悪化すると予想している。・・・
MP3がバランスシートに及ぼした変化させる効果と極度に低い実質利回りによる継続的なインセンティブによる潜在的支出の大きな蓄積がまだ存在し、さらに財政刺激策が見込まれる。
需要を絞るには世界の中央銀行が速やかに引き締め的政策に移行する必要があるが、それはありそうにない。


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