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ブラックロック 雇用統計悪化は一時的:ブラックロック
2021年9月4日

資産運用の世界最大手ブラックロックのジェフ・ローゼンバーグ氏が、期待外れに終わった8月の雇用統計について「一時的なもの」と分析している。


まず読み取れるのは、デルタ変異種の影響を受けたということだ。

ローゼンバーグ氏がBloombergで、3日発表された8月の米雇用統計についてコメントした。
レジャーとホスピタリティの分野でパンデミック悪化の影響が大きかったという。

8月の米雇用統計は

  • 非農業部門雇用者数: 前月比235千人増(市場予想725千人増)
  • 失業率: 5.2%(前月比0.2%ポイント減)

雇用者数が予想を大きく下回る結果となった。

ローゼンバーグ氏は、8月の悪化をパンデミック再発による「一時的な影響」と分析する。

「市場はこれを一時的なものと見ている。
一過性のインフレとの議論がなされてきたように、一過性のデルタ変異種の影響と議論されるだろう。
少なくとも市場の反応に関してはそうなっている。」

3日の市場の反応は:

  • 米10年債利回り: 1.326%(前日比+0.032%ポイント)
  • S&P 500: 4,535.43(同-0.03%)

長期金利はわずかに上昇、株価は横ばいだ(NASDAQはわずかに上昇)。
雇用統計の結果は悪材料に分類されるものだったが、市場は大きく反応していない。
市場がFRBのテーパリングのスケジュールについて予想を目立って変更した跡は見られない。

ローゼンバーグ氏は、金融政策について心配するのはまだ早すぎると示唆している。

「見落としてはいけない重要事項は、テーパリングが引き締めではないと強調されていること。・・・
将来の引き締めプロセスはおそらく2022年終盤まで始まらない。
まだだいぶ時間がある。」

金融引き締めとは、金融政策が経済に抑制を及ぼすこと。
少し具体的にいえば、イールドカーブが中立金利より上方に誘導されることだ。
テーパリングがそれを意味するとは限らない。
テーパリングによって中長期金利が上昇する、あるいは、利上げによって短期金利(それにつれて中長期金利)が上昇し、イールドカーブを超えた時、引き締めの状態になる。
前回のテーパリング時、長期金利は低下した。)
テーパリングとは金融緩和を強化(資産買入れを継続)する中で、その度合いを緩めていくプロセスにすぎない。

ローゼンバーグ氏が言いたいのは、金融政策が引き締め的になるまで、まだ少なくとも1年以上あるということだ。
同氏は、こうした安心材料を述べた後、市場の不安材料についても言及している。

1つ明らかに心配なのは、莫大なインフレが起こっていることだが、これは財・サービスの価格ではなく資産のインフレだ。
至る所で資産インフレと金融安定への懸念がある。


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